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悠久のクロスファンタジア 〜DUAL WORLD〜  作者: はとかぜ
第3章 星の魔術師編
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第70話 旧都東京・渋谷エリア

『まもなく、渋谷、渋谷です。湘南新宿ライン、埼京線、東京メトロ副都心線、東急東横線はお乗り換えです。なお、当駅を出ましたら、原宿に停車後、代々木、新宿、新大久保を通過し、次は、高田馬場に停車いたします』


 電車内でアナウンスが流れる。ちょっとだけ旧型の鉄道車両は、古びた山手線の線路を進んでいく。窓から見える高層ビル群は、修復されているものもいくつかあるが、大多数はてっぺんをえぐられたような形になっていた。


 そんな中、電車は渋谷に到着し、たくさんの人達がホームに降りていく。さっきのアナウンスでは、乗り換え電車がたくさんあったような感じだったが、昔と比べても減っているらしい。


 人の流れに従って、自動改札を抜ける。ちょうど眼の前に、渋谷スクランブル交差点が広がっていた。


「やっぱり人が多いな……やっぱり日本第三の都市って噂は伊達じゃなかったのか」


 ゴールデンウィークなのもあってか、渋谷にはたくさんの人が集まっていた。


 千代田はどちらかと言うと、関東地方の中枢といった形なので、東京駅に来る人はいても、外に出る人はあまりいなかった。


 対して、ここ渋谷や、浅草あたりなんかは、東京の中でも有名な場所だ。少なくとも、国会議事堂よりかは観光地になり得る場所がいっぱいある。


 まあ、そうは言っても、俺がここで楽しめるかと言うと別問題だ。東京に来たのは、ちょっとだけディストピア感のある町並みを楽しみたくて来ただけだ。


 この辺は少し人が多すぎるが、新宿方面に近づけば近づくほど人は減っていくだろう。原宿の竹下通りまでがギリギリグリーンゾーンなので、そこまで近づいて度胸試しをする人もいるらしい。なお、たまにオーバーする人もいるらしい。


 昔のような活気は、今はもうない。そこに集まるのは、流行りに乗ろうと躍起になる女子高生ではなく、ちょっと特殊な嗜好を持ったもの好きだけだ。


 ◇◇◇


 渋谷の情景としては、電車からも見た通り、てっぺんだけが欠けてしまっている高層ビルが、いくつも立ち並んでいるのが第一印象である。


 再建されているのは重要な建物のみで、駅前から離れた雑居ビルは、ツタが伸びてボロボロのままであることがほとんどだ。


 道玄坂とかの裏手の路地に入ってみれば分かりやすい。道は整備されているのに、飲食店なんかは軒並み崩れて、建物としての体をなしていない。


「転ばねぇようにゆっくり歩かねぇとな。道が整備はされているとはいえ、応急処置だからボコボコ何だよなぁ」


 当然、ボコボコなので車は通れない。今の東京で統計をとったら、おそらく四割の路地は車が未だに通れないような道ばっかりだ。


 それらが全てかつての姿を取り戻すのは、2,30年先となる見込みだ。応急処置でも、十年でここまで復活したのだ。ペースとしては、相当順調と言えるだろう。


 半ば暫定政権のような状態と化している不安定な日本政府は、各地の復興を最優先で進めるために、財政を注ぎ込んできた成果が現れているのだろう。


「2,30年だと、俺達はもう中年だよな。長い目でみたら、わりと洒落にならない時間だな」


 写真を撮るだけ撮って、渋谷109の正面から、再び渋谷駅の方向に戻っていく。せわしなく色んなところに行くのではなく、もう少しゆっくりしていきたいところだが、日帰りということで、時間がないのも事実なのだ。


「都市部は見て回ったし、今度は住宅地の方にでも向かってみるか。あとは……浅草とか、スカイツリーとかも行きたいし……」


 ここまで考えたところで、俺は1日ですべてを周る無謀さに気がついた。


「もう少ししっかり計画を立てて来るべきだったな」


 スマホで電車の時刻を調べながら、俺はため息をついた。スマホの画面に映る時刻表は、ぎっしりと隙間なく、電車の時間が記されていた。

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