第53話 長い数日間
俺達は、それからしばらくシェルター生活が続いた。
4月21日
その日は木曜日だった。俺達はその日は大人しく部屋の中にいた。シンプルにやることも、やりたいこともないからだ。
外に出てみたら、寮の修復が進んでいた。既に仮設足場が設置され、骨組みも再構築されていた。
もう少ししたら戻れるかもしれない。
4月22日
金曜日、時雨がまたあそこのアイスを食べたいと言うので、二人で行くことにした。
時雨はキャラメル味を選んだ。
4月23日
今日もやることがなくて部屋の中にいた。
起こった出来事と言えば、夕方、衝に会いに美空さんが来たくらいだ。本当に会いに来ただけで、少し話したらすぐ帰った。
寮はあと2日後には直るらしい。
4月24日
日曜日、宿題が結構キツイことにようやく気がついたので、急いで終わらせようとした。
とりあえず、シェルター生活はここで終わりだ。
4月25日
自分たちの寮に、やっと帰ってくる事ができた。やっぱり、自分だけのプライベートスペースは、人間にはなくてはならないものだ。
明日からは校舎も直っているので、普通に学校に行けるようになる。
4月26日
◇◇◇
「ありがとうー!これでボッチ回避だぁー!」
「大げさな……」
俺達は、魔法同好会の顧問の先生に、入部届を出すために、高宮先輩にその先生の名前と所在を聞いていた。
「それで、先生って……」
「ああ、それなら職員室に行って”山崎先生“を呼べばいいよ」
「ファッ!?あいつここの顧問だったのかよ!?」
部活を決めるとき、顧問のことなど完全に度外視していたが、まさか担任の山崎渡だとは思わなかった。
確かにあいつは魔法科教師だ。だが、その条件なら学校にはもっといっぱいいる。何故ピンポイントに山崎なんだ。
「奴とは縁があるようだな……嬉しくないけど」
「まあ、とりあえず出しに行こう」
「ふぃー、出し終えたー」
職員室に行って、山崎に入部届を出すのはあっさりと終わった。
『お前らはもの好きだな』と、山崎に言われた。やっぱり珍しいらしい。
「ところで……みなさんは何でここに入ってくれたんですか?」
高宮先輩はニコニコの笑顔でそう言った。
「私は、サッカー部のマネージャーも考えてたんだけど……なんか怖い人多そうで……」
「俺は他になかったから」
「右に同じく」
高宮先輩は、そっかぁ……と、嬉しいけどなんか違うといった表情をして、俺達の方を見た。
「じゃあ、明日の放課後、護月先輩のところに行きましょう!この同好会、基本的に校外活動ばっかりなので」
「今日はないんですね?」
「山崎先生はそんなに私に関わりませんし、活動はぶっちゃけほとんど私の裁量です!」
そう言って、高宮先輩は背伸びをしてこの部室から出ていった。
「あっ、そうだ。集合は悟町駅前です!」
階段を降りていく音がする。あまりにあっけない展開に、俺達は、少しその場で考え込んだ。
そして、4月27日。




