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第0話 二つの世界
初投稿です
夜の闇を、まばゆい人工の光が照らしていく。
鳴り響く轟音、止まらない悲鳴。
これが、一つの世界の日常だった。
物理法則も何もかも機能しない、規格外な世界に、彼らは生きる。
魔界解放から五十年、そして、人類史上最悪とまで言われた、境界事変から十年、科学と常識に彩られた世界は、その時、魔法と幻想の塊に、その姿を変えた。
向こう側の、もう一つの世界に続く『異空の境界』から現れる異形の魔物、それらは、日に日に数を増やし、この世界を蹂躙する。
人の命が軽くなったこの世界に、人々は一体何を思うのだろうか。
これは、『境界』でつながる二つの世界の物語。
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それは、■■の……
『お疲れ様』
《1》