嘘
私が産まれたのは二十世紀最後の年。
小さい頃の記憶はそんなにないが、
母曰く小さい頃の私はピンクが良く似合う可愛らしい女の子だったらしい。
活発で明るく友達も多い人見知りするけどすぐ仲良くなれるし、
運動神経もまあそこそこ出来た。
勉強は小学生の時まではまだ出来たほうかもしれない。
女の子特有のグループには属さず色々なグループのこと仲が良かった。
ここまで見ると多分普通の子だと思う。
問題はここからで私は虚言癖で周りの人全員に噓をつき続けてきた。
家族、友達、親友、先輩後輩、先生、彼氏、夫。
皆に嘘をついて生きてきた。
嘘だけじゃないゴミみたいな人間だ。
例えば、幼稚園年長の時友達の体操服裾をはさみで切った。
それを私が気付いたフリをして先生に言った。
中学生の時テストの点が悪くて親に携帯を取り上げられた挙句、大好きな部活に行かせてもらえなかった時、何故か嘘をついた。
今思えば別に正直に言えばよかったと思うが、可哀そうに思われたかったのか
病気だからと同情を買った。そして同情してくれた先輩を泣かせた。
結果的に親にバレ、全員の前で謝罪させられた。
当たり前だが殆どの人たちは私から離れていった。
親は手のひらを返すように部活に行っていいと言った。
部活には行ったが顧問は私が嫌いになったんだろう。
全く試合に出させてもらえなくなった。
顧問も人間だ、仕方ないと今では思うが、当時の私はそう思うことができなかった。
嫌がらせのようにペアを毎回変えられ、試合では私が組んでいた子達を出していた。
私より下手な子ばかり、その子達には失礼だが当てつけのようだった。
この時点で嘘は周りの人だけでなく自分自身も傷付けるという事を学んでいたはずだ。
なのに、私は本当におかしかったんだろう。
懲りることなく嘘つき続けていった。