29話 進化
「お邪魔します」
「どうぞどうぞー。もうハルちゃんも来てるよ」
高花が言うハルちゃんというのは龍崎の事だ。しかし、いつの間に下の名前で呼ぶようになったのか。やはり高花は人との距離を詰めるのが上手い。
「琴音ー。進化素材集め終わったよー」
「はーい。今行くからー」
部屋の方から龍崎の声が聞こえる。家が近いから多分1時間くらい一緒にゲームしてたんだろうな。
「おっす」
「おっ、やった来たな天野。ちょうど今カラフルベイビーの進化素材を集め終わったところだよ」
龍崎が来てからというもの攻略が早いのなんの。前まではカラフルベイビーの能力を上げるのは俺が自分のモンスター育成と並行して手助けしていたから時間がかかっていたが、龍崎が居れば同時に進行できるため効率が上がるのだ。
「ようやくカラフルベイビーの進化が見れるのか。どんなのになるんだろ?」
「やっぱりブルーボーイとか? でもせっかく虹色なのに青単色になるのって寧ろ退化だよね? ステータスは上がるんだけどさ」
「私はこの子が良いかな。一番可愛いし」
龍崎と高花が攻略サイトに書かれている進化先を指差していく。最近新たに5種類の進化先が判明して全30種類の内8種類が明らかとなったのだ。ただまだ22種類は不明だからな。実質どんなモンスターになるのかは予想がつかない。
「じゃあ進化させるよ」
「私も。せっかくなら同時に進化させたいよね」
せーので二人同時にポチッとボタンを押す。進化の演出が画面上で起こり、二人のカラフルベイビーが無事進化した効果音が鳴る。
「え、なにこれ。滅茶苦茶カッコいいんだけど!」
興奮したように龍崎が言う画面にはレインボードラゴンと書かれている。ドラゴンだと? モンサーのドラゴン枠は総じて何とも言えない感じだと言うのにこのドラゴンだけ滅茶苦茶カッコいい。それに能力も今までのような無属性のまま場の色を変化させるとかいう補助系の能力ではなく、戦闘開始時に相手のモンスターの不利色に変化するとかいうチート能力だし。
「スゴッ! モンサーにそんなカッコいいドラゴン居たんだ」
「やっぱカッコいいよね! やった!」
どうやって進化させたんだ? 一応、カラフルベイビーの各種進化先にはそれぞれ必要な訓練みたいなものがあるんだけど。
「私のも見て見て! 可愛いから」
そうやって高花が見せてきたのは元のカラフルベイビーより少し大きくなり王冠が頭に乗り、玉座のような椅子に腰かけているものであった。名前の欄にはキングカラフルベイビーと書かれている。
「へ~、こういう正統な進化もあるんだな」
「良くない? 凄く可愛いんだけど」
二人とも気に入っているようで早速合う装備なんかを探し始めている。キングカラフルベイビーも中々の能力をしていたな。行動時に相手を任意の色に染めることができるとかいう。サポートもできかつ自分でも攻撃できるなんて。
「まさかカラフルベイビーがこんなに化けるとは思わなかったな」
「公式がわざわざ推してるモンスターだから当然よ」
そういえば今までもカラフルベイビーのグッズが多かったよな。弱くて不人気だったってのに。
「俺のモンスターも一応進化はしてるんだけどな」
ブレイブウルフ。能力は行動時に毎回攻撃力が1.1倍になるとかいうこれもかなりの強能力だ。だが、有利色は不利色に2倍のダメージが入ることを考えれば劣っている。
元々はティミーウルフって言う名前だったのだが進化してブレイブウルフとなった。
「てかこのレインボードラゴン、全装備付けれるんだけど」
「私のキングも全部付けれるよ」
「マジかよ。俺のブレイブウルフは爪と胴体だけなのに」
あまりにもチートキャラ過ぎる。何だそいつら。攻略サイトに載ってた進化形ではこんな奴等居なかったぞ。
「まあ強化されたってことで次の中ボス行ってみよー」
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