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21話 テスト終わり

「う~、やっと試験終わったよ~」


 最後の試験が終わった時、隣からそんな声が聞こえてくる。同感である。テスト週間というのは緊張感が続くため、ちょっとゲームをしただけでも罪悪感に襲われ苦痛なのだ。


 それが今日でようやく終わるということでこのまま早く家に帰ってモンサーの続きをしたい気分であった。


「じゃね。天野君」


「ああ」


 高花が桜川たちと共に教室から出ていく。俺もさっさと帰るか。ただ、テストが終わった日というものは往々にして帰る時間が早い。今から帰ってモンサーで素材でも集めようかな。モンサーではモンスターの装備を作るのに素材はあればあるほど良いし。


 そうして俺も立ち上がり、教室の外へ出る。


「おっ、天野。どうだ? テストは出来たか?」


 教室の外へ出ると先程、終礼をしたばかりの柊先生とばったり出くわす。


「まあ、それなりには」


「そうか」


 それで会話は潰える。何となく気まずいな。さっさと切り上げるか。


「では僕はこれで」


「ああ。何かわからないことがあったらいつでも先生を頼って良いんだぞ」


「ありがとうございます」


 そう言って俺はその場を後にする。担任の柊先生には俺が数学の授業で寝てばかりいるため、あれから妙に気にかけてくれている。最近では寝ることを注意するのではなく勉強についていけているのかを心配してくれているらしい。


 まあ授業中に寝るとかいう奇行を働いてる俺が悪いんだけどな。だが数学の授業はどうにも新しく知ることがなさすぎてつまらないんだよな。


 そう思いながら廊下を歩いていると携帯からメッセージの受信音が聞こえる。ポケットから取り出してみてみると、画面に表示されている送信者の名前は高花琴音となっていた。


『今日からゲーム同好会再開するよ! 14時くらいにウチ来てね』


「今日やるのか」


 メッセージを読みながら自然と口角が上がる。別に高花だから嬉しいって訳じゃない。友達とゲームするのは大体楽しいだろ。いや、それって高花だから嬉しいってのと何も変わらないか。


 しかし14時までかなり時間があるな。一回家に帰って昼飯を食べてから行くか。そう思った俺は足早に立ち去るのであった。



 ♢



「お邪魔します」


「いらっしゃーい」


 相変わらずマンションに着くのはだいぶ早いくせに呼び鈴を鳴らすのが遅いせいで時間ぴったりに高花の部屋に入ることになる。


「そういえば時間あったしお菓子買ってきた」


 そう言って俺は持ってきた鞄の中から一袋のお菓子の詰め合わせを出し、高花に渡す。


「おっ、気が利くね~。ありがと。せっかくだしゲームしながら食べよ」


 個包装の奴を買ってきておいてよかった。ゲームをする時に手がベタベタすると最悪だからな。


「そういえばさ、才司のお陰で数学もしかしたら滅茶苦茶点数高いかもしんないんだよ。もしかしたら才司の点数越えちゃってるかも?」


 リビングに座るや否や高花は嬉しそうに言う。よっぽど出来が良かったのだろう。


「それは良かったな」


「あれ? 悔しくないの?」


「まだ負けたわけじゃないしな。悔しくはない」


 それに俺の手応え的に多分……。


「じゃあ数学の点数が低かった方は高かった方の言う事を聞くってのどう? よくない?」


「いやそれテスト終わってから言うのかよ。まあ良いけどさ」


「オッケー、決まりね」


「はいはい」


 そう言いながらゲーム画面を開く高花。この自信、満点でも取ってるのか? 仮にそうだとして俺も満点で引き分けになった時、この約束ってどうなるんだろ。


「次の島に行けばやっとカラフルベイビーを進化させられるからずっとやりたかったんだよね」


「そうか。三個目の島に進化素材があるのか」


 とはいってもこの島でまだまだ中ボス含め、ボスが四体ぐらいいるけどな。そしてそのどれもにボスの鍵が必要だという。だが、その手間が楽しい。


 それから俺と高花はボス鍵の素材を集め始めるのであった。

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