表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/29

16話 イベント会場

 ガヤガヤと人でにぎわう店内。普段あまり外に出ない俺にとっては苦痛なその光景も今日は何故か気にならない。


「待ちに待ったモンサーのイベントだ。ワクワクするな」


 そういえばイベントを見に行くのは初かもしれないな。モンサー1の時にはこんなイベントは無かったから。そういう意味でも人一倍楽しみなのかもしれない。


 半ばスキップをしながら、されど人目を気にして結局は早歩きでイベント会場へと向かう。それにしても混んでるな~。イベントが無かったら絶対来ていなかっただろう。


 人をかき分け、どんどんと奥へと進んでいく。えーっと、待ち合わせ場所は……。


「あっ、才司~!」


 イベント会場の前で端正な顔立ちの少女がこちらに手を振ってくる。高花さんだ。案の定この美少女が待つ相手は一体どんな奴なんだと周りからの視線を一身に受ける。声に出さずともわかる、皆の期待外れ感。ある者は一瞬で興味が失せたのだろうすぐさま視線を逸らし、さらには大袈裟にため息を吐く者さえも現れる始末。


 普通の美人ならこんなことにはならなかったのだろう。高花さんだからこそこんなにも注目されるのだ。悪かったな、地味な奴でさと名も知らぬ奴に心の声で謝る。


「お待たせ」


 周りの視線など気にしてない風を装って高花に声をかける。それに対して本人は本当に周りの視線などまるで気が付いていないようでガシッと俺の右手を掴んでくる。


「ほら、行こう。もう始まっちゃってるよ」


「おいおい、分かってるから引っ張るなって」


 そうして強引に引きずられながらイベント会場へと入る。会場内もかなり混みあっており、これぞ大人気ゲームの貫禄だ。て、そんなことを言っている場合じゃない。早くグッズとかを買わないと売れ切れちまう。


「うわ~、悩ましいな~。このカラフルベイビーちゃんも可愛いけどこっちも捨てがたいよね~。どうしよう」


 そう言って高花が手に持つのは2種類のキーホルダー。一つは赤みの強いカラフルベイビーでもう一方はそれの色違いだ。


「よし決めた! ちょっと高いけど両方買っちゃおっと」


 対する俺が見漁っているのは犬系のモンスターグッズだ。俺が使っているモンスターが犬系だからだ。モンサーのキャラデザの中では犬系が飛びぬけてカッコいいと思っている。


「よしこれだな」


 結局、今自分が愛用しているワンダードッグのキーホルダーと他5種類の犬系モンスターのキーホルダーを手に取る。これ一つで500円もするから高校生のお小遣いでは中々多くは買えない。


「えっ、高花。それ全部買うのか?」


「うん、そうだよ!」


 カゴに商品をパンパンに詰め込んで満面の笑みでこちらに戻ってきた高花に驚く。中には1着8000円もする服やら5000円くらいするネックレスまで入ってるじゃないか。って言われてみれば高花の家ってくっそ金持ちだったな。これが普通なのか。


「でさ~言ってたやつあっちにあったから行こ」


「はいはい」


 またもや引っ張られながら目的の場所へと向かう。やたらとピンク色の強い受付。うん、どう見てもあそこだな。


「ここでカップルだったらカラフルベイビーのピンク色のネックレスがもらえるんだよ」


「らしいな」


 それもハートの片割れずつを持っていて近づけるとマグネットでくっつく仕様だと言う。まあどうせ俺の分も高花に渡すつもりだからカップルみたいに近寄ってくっつけ合うなんてことはないけどな。


「すみませ~ん、私達カップルなんですけど~」


 今更ながらカップルであるという設定が恥ずかしくて店員さんから少し顔を逸らしてしまう。早く終わってほしい。


「はーい、こちらどうぞ」


「ありがとうございます」


 店員さんから高花が二人分のキーホルダーを受け取り、そのまま片割れを俺に渡してくる。


「はい、才司」


「良いよ。高花にあげる」


 元々高花にあげるつもりだった俺は受け取らずにいると、高花が俺の手にその片割れをねじ込んでくる。


「ダメだよ。これは二人で持たないと意味が無いんだから」


 二人で持たないと? 何それ、本当のカップルみたいじゃん。……いやいやいや、違う違う。高花もそういう意図で言ったわけじゃないんだから。変なことは考えるな。


「あ、ありがと」


「元々才司のもんだしありがとうも何もないよ。さっ、サイン会に行こ」


 そうして俺達はイベントの最後となる制作陣のサイン会場へと足を向けるのであった。

ご覧いただきありがとうございます!


もしよろしければブックマーク登録の方と後書きの下にあります☆☆☆☆☆から好きな評価で応援していただけると嬉しいです!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ