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14話 お誘い

「そういえばさ~、近くにでかいショッピングモールあるじゃん?」


「ん? ああ、あるな」


 ここら辺のショッピングモールと言えば先程俺が居た場所くらいしかない。そこのことを言っているのだろう。ゲーム画面に向かい合いながら答える。


「その中でさ、モンサーのイベントがあるって知ってる?」


 モンサーのイベント、確実に今日俺が目にしたあの看板の事だろう。まさかその話が高花から出てくるとは思わずゲーム画面から顔を上げて高花の方を見る。


「高花も気になってたのか」


「てことは才司も気になってた口だね? さっすがオタク君! 情報が早い!」


「うるせえ」


 今日寄ったついでに偶然知っただけだからどちらかと言えば高花の方が情報が早い。ただ、情報が早いと褒められたのが誇らしい気分であったためあえて口には出さない。


「それでさー、せっかくだし才司と一緒に行きたいなー、なんて。ねえ? 良いでしょ?」


 そう言われた時、一瞬ドキッとする。友達が高花以外存在しない俺にとって友達と一緒にあのイベントに行こうと思ったら高花と行くしかない。しかし、異性であるがゆえに俺が誘ってもどう考えてもデートのお誘いにしか聞こえないというので断念していたのだ。


「お、おう。良いぞ」


「な~に? その反応? 女子から誘われて嬉しいんじゃないの~?」


 ぶっきらぼうに答えた俺に対して高花がニヤァッと悪戯っ子の様な笑みを浮かべながら顔を覗き込んでくる。思わず顔を逸らすと余計に深く覗き込んでくる。


「いいから離れろ!」


「フフフッ、初心(うぶ)だね~」


「うるさい」


 そもそも友達すらいない俺に先程の攻撃をどう防げばよいのかなど見当がつくはずもない。しかも男子ならまだしも女子だぞ? 無理に決まっている。


「そんなことしてたら置いていくぞ」


「あっ、ちょっと待ってよ。才司が先にクリアしちゃったら私一人でどう戦えっていうのよ」


 俺がゲーム内でボスの部屋へと向かおうとすると、こちらに近付いていた高花も焦ってゲーム機の方へと向かい、急いで俺のゲームアバターの下へと自身のアバターを走らせてくる。


 俺がやっていない間に高花が俺と同じところまで攻略が追い付いたおかげで一緒に攻略できるようになっていたため、二人で協力してゲーム攻略を進めていたのだ。二人でやればその分、敵の強さは2倍になる。そのうえ、高花は未だにカラフルベイビーという最弱モンスターを用いているため、よりハードモードとなるわけだ。


 普通の難易度では物足りなかった俺にとっては好都合ではあるんだがな。


「あっやべ。回復すんの忘れてた」


 考え事をしているといつの間にか俺のモンスターの体力ゲージが無くなっていた。


「ちょちょっと才司~。いや~、私も負けちゃった~」


 後に残された高花のモンスターは当然のようにボスに駆逐される。


「ま、まあ。またボスの鍵を作れば良いからさ」


「またあの面倒な作業やるの~?」


 モンサーはボスに挑むためにフィールド上に存在するモンスターから得たドロップ品からボスの鍵を作らなければならない。これが高花の攻略があまりにも時間がかかる原因の一つだ。それも中ボスですらも。


「まあ仕方がない。ほら、散り散りになって集めるぞ。二人でやれば効率も2倍なんだし」


 二人でやる場合、素材を集める点では得をする。最近、高花のカラフルベイビーの扱いもうまくなっており、フィールドのモンスターを倒す効率も上がってきている。


 高花の上達もあり、それからほどなくしてボスの鍵を作る素材が集まり、無事にボス部屋の鍵を入手することに成功する。今度は俺もこれ以上やっていたら帰るのが遅くなるという事で油断なく挑み、ようやく倒すことができた。


「ふ~、やっとだね~。てか、もうこんな時間ッ!?」


 パッと時計を見ると20時30分。実にここに来てから一体のボスに3時間という時間が経っていたということに驚きが隠せない。


「どうする? 晩御飯の時間とかあるよね?」


「まあそうだな」


「どうしよう。晩御飯とかもう冷えちゃってるよね」


「ああ、そのことは気にしなくていい。今日は外で食べようと思ってたから」


 今日は母さんも父さんも帰ってくるのが遅い日だ。こういう日は大体、二人とも疲れ切って晩御飯も食べずに寝てしまうので俺と花音はそれぞれ晩飯を作って食べる日だ。たまに花音が作って待っていてくれる日もあるが、今日は高花の家に来るから遅くなると思い、あらかじめ断っておいた。


 元々、晩御飯は外で食べるつもりだったのである。とはいえこれ以上遅くなると花音が心配するだろうからトークを送ろうと携帯を取り出そうとすると、不意に高花が立ち上がる。


「外で食べるつもりなんだったらせっかくだし私が何か作ろうか? 料理の腕は自信があるのよね」


 そう言ってキッチンの方へと向かうのであった。

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