ファミリア階級適性検査を終えて
検査を終えて部屋に戻って来た、ソラはベッドの上に腰を掛ける。少しして、ドアをノックする音がする。
「ソラ、入るよ」
レイが来ている。わざわざノックしなくてもいいのに、律儀なやつだ。まあ、そのしっかりした性格に救われてきたからな。レイがドアを開け、部屋の中に入ってくる。
「お疲れ、緊張したよ」
「そうだな、俺は頭が痛くなったよ」
軽く談笑し、レイがベッドの目の前にあるイスに座り、向かい合う。
「あっという間、だったかな」
「ついに来たんだな、ここまで」
「今振り返ると、ずっと二人で修行してたね」
二人は過去を思い浮かべる。
来る日も来る日も強いファミリアに入るために特訓し、グランファミリアの存在を知ってからはそれを目指して、ひたすらに走ってきた。自分たちで最高のファミリアを作る、いつしかそれが夢になっていた。十年の時を経て、それの第一歩を今日、踏み出すことができた。二人の気持ちは簡単に言い表せるものではない。が、やるべきことは変わらない。これからも最高のファミリアを作るために走り続けるだけだ。
「やろう」
「ああ」
二人は小さく拳を合わせる。
窓から入る月明かりが優しく二人を照らす。