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THE プロレス2 〜ROUND 24 宴の後に〜

 自身はこんな低劣な人間である、という事実を本作は図らずも浮き彫りにしたのです。

 今まで自身はプロレスに理解があるような風を装い、インディーズに否定的な風を装い、「ホントに戦ってるんですか?」論者を見下していました。それはなぜか?

 簡単です。それは実は筆者自身こそが、「私は誰よりも美しい人間なんです」ということを、ことさら強調したかったからなのです。


 だからこそ筆者は真性のプロレスファンを傷つけないよう配慮してる風を装いもするし、憲法改正の四文字を脈絡もなく引っ張り出し、「俺ってインテリ」な、気分に浸りもするし、美しい国へ、と言った宰相をこき下ろしもしたのです。それがいかに自身の低俗さを露呈するかとは想像もせずに。嗚呼! こんなことって、あっていいんでしょうか。

 

 筆者はこんなくだらない低俗な脳内カビまみれの人間だったのです。今まで筆者が見下してた人間よりもはるかに程度の低い人間だったのです。デスマッチを笑いものにするような、古代ローマ人などはるかに通り越して、アウストラロピテクス並の低レベルな霊長類だったのです。

(こんなこと言うとアウストラロピテクスに謝れとか、古代ローマ人よりアウストラロピテクスが劣ってるなんて誰が決めた? とか言われてしまいそうです。アウストラロピテクスさんに対して甚だ失礼とは思いますが、あくまで比喩とご理解ください)


 筆者に比べれば世間の人なんてずっと上等です。筆者には人を見下す権利すらないことを本作は教えて、いや、自覚させたのです。それが幸か不幸かは分かりませんが。


 敗戦を迎え、手の平返したっていいんです。戦時中は反戦など唱えようものならたちまち逮捕。残酷な拷問を受けたとも聞きます。人には、時代により、それぞれ事情があるはずなんです。デスマッチを笑うのに事情もクソもありませんから。


 「ホントに戦ってるんですか?」聞いてもいいじゃないですか。そこまでして過去の自分を抹消したいのなら。裏を返せば、それだけ本気で、純粋に応援してたってことです。その後の付き合い方がちょっとズルくても。少なくとも、デスマッチ見てゲラゲラ笑ってる奴よりずっと健全です。


 「私は憲法改正論者ですから」大いに結構。政治、宗教、主義主張。多様性があるのはいいことです。祖国の行く末を案じるのは悪いことなんかじゃありません。デスマッチのゲームばっかりやってる奴よりよほど建設的です。


 国会議員に当選して「改革ファイヤー!」とかカメラの前で意味不明な絶叫したっていいんです。今までさんざん痛くて危険なデスマッチやって、ファンを魅了してきたのですから。人生にはそんなご褒美、あったってバチは当たりません。本当に罰を受けるべきは筆者のような奴です。


 「美しい国へ」大変素晴らしいと思います。カジノ街のネオンはこの上なくきらびやかで美しいことでしょう。デスマッチの阿鼻叫喚に比べれば。是非、邁進して下さい。

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