THE プロレス2 〜ROUND 15 場外乱闘〜
いざ、デスマッチモードへゴー。もちろん、そんな邪道に付き合うつもりはこっちにゃさらさらありません。とりあえず定番の有刺鉄線電流爆破デスマッチから初めます。
ゴングが鳴って試合開始。リングの周囲にはモチロン、有刺鉄線が張られ、電流のエフェクトまで再現。粗いポリゴンのグラフィックと相まって終末的なムードが漂います。リング内にはパイプ椅子、有刺鉄線巻いた刺バット、の二種類の凶器までご丁寧に用意。使うつもりもありませんけどね。ミイラ取りがミイラになるわけにはいかないのです。
相手は早速凶器を拾いに行きました。もちろん、見過ごすわけにはいきません。デスマッチとはいえ、そんな邪道許すわけにはいかないのです。背後から組み付きバックドロップ。相手はなおもコッチを爆破すべくロープ(というか有刺鉄線)に振ろうとしますが、どれほどのダメージも受けてないので踏ん張って耐えます。
いい加減邪道ファイトはやめろよ、とばかりに得意の関節技、寝技で順当にダメージを与えていきます。このあたりは今までのストロングスタイルで培った技術で正統ファイトに持ち込みます。それでも相手は邪道ファイトに拘泥します。でも、それでは隙が大きくなるのです。そこを掴めば簡単に技に持ち込めるのです。
所詮、邪道は邪道。デスマッチのリングであろうが、プロレスルールである以上、正統ファイトに勝てるわけがないのです。
結局、筆者の繰り出す正統ファイトに相手はなすすべもなく、さっさとギブアップして試合終了。ま、これが現実ってもんです。
……そりゃあね、こんなもんなんでしょうね。かつてあるレスラーが言ってました。「鍛え上げた格闘家が歩くだけで説得力がある。入場曲もスモークも、レーザー光線なんて演出は不要だ」って。伝聞の伝聞なので多少ニュアンスは違うかもですが、概ねそういう意味なのだと思います。すべてに共感するわけではありませんが、言わんとするところは分かるつもりです。
鍛え上げたプロレスラーがリング上で技を披露すればそれでもう充分なんです。それを派手な爆破で盛り上げるところの意味は、見る者を納得させるだけの技術も体も持ってない、という証左ではないでしょうか。確かな実力がありながら、怪我のために第一線から退かなければならなかったという事情はあったにせよ。だからこそ正統プロレスリングはデスマッチを認めなかったのです。当たり前です。あれを認めてたらプロレスそのものの存続が危ぶまれます。だからこそデスマッチブームは長続きしなかったのです。分かりきってることです。
……それは分かってるんですけど、この不完全燃焼感はなんなんでしょう? せっかく周りに有刺鉄線張って、爆破の仕掛けまであるのに、これを作動させずに試合が終わるのは正しいのでしょうか? ファンは納得するのでしょうか? 一時期の新日だったら暴動起きるんじゃないでしょうか? エンターテイメントでリアルを追求するのは間違ってるんじゃないでしょうか?
ここは一回だけでも、爆破やってみよっかな? あくまでゲームなんだし。いいよね? あくまでゲーム。ここ、注意しといてくださいね?