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THE プロレス2  〜ROUND4 会場はどこだ?〜

 しかし、そのためにはファンの成熟が必須条件でした。筆者のような低レベルのファンばかりでは、プロレス界は未だに暗黒時代を彷徨っていたことでしょう。暗く長い暗黒時代があったからこそ、プロレス界も自身の魅力を再考することができたし、筆者のような程度の低いファンは淘汰され、プロレスを楽しむ作法を身に付けた、良質のファン層が醸成されていったのだと筆者は考えます。


 昭和プロレス黄金期、タイガーマスクの四次元殺法に熱狂していた少年たちはどこへ行ったのでしょう? 世代的には暗黒時代では小学生の親世代のはずです。彼らはなぜ、プロレスに見向きもしなかったのでしょう。我が子と一緒に観戦しに行かなかったのでしょう。もちろん、そのまま大人になってもプロレスファンを続けていた人もいたでしょうが、現実を見る限り少数派だったと言わざるを得ません。一体なぜ。


 筆者はそこにこそ、プロレスの持つ、グレーでアングラな側面が大きく影響していた、と、推察するのです。


 子供はいつの頃からか、サンタクロースが実在しないことに気付きます。筆者もそうです。ある時期までは信じてましたが、いつの頃からか、枕元にプレゼントを置いてくれていたのは親だったと気付いたのです。それがいつ頃かの記憶は定かではありませんが、小学校低学年くらいではないでしょうか。


 そして、誤解を恐れず言わせていただくなら、プロレスもまた、子供たちがいつの頃からか、「んん? これって、ちょっと不自然じゃない?」と、気付く時期が、間違いなく来るのです。いや、子供に限らず、いい年した大人にしても、ちょっとおかしいぞ、くらいには気付くのでしょう。が、これは責められることではありません。


 なにしろ力道山と日本史上最強の格闘家、木村政彦の一戦を観戦した国民の大多数が、「プロレスこそ史上最強の格闘技」と、信じたほどなのですから。いや、あの一戦はある意味においては、リアルファイトだったのでしょう。多少の疑義はあったにしても。確かに、あの映像を確認する限り、力道山のチョップはセメントっぽいです。あんなものを見せられたら誰だって信じてしまいます。いい年した大人だって、プロレスはガチで危険なリアルファイトと認識しても不思議はありません。それこそがプロレスの持つ、グレーでアングラな、かつ、甘美な魅力なのでしょう。


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