THE プロレス2 〜ROUND 3 地下鉄に乗って〜
だからといって、リング上のプロレスに魅力がないなどというつもりなど毛頭ありません。いかに下世話系ミーハーの筆者といえど。
最近のプロレスは技のスピードも早く、高度に進化してるので、ぶっちゃけチンプンカンプン。いや、見てるだけで凄いなあとは思うのですが、一体何がどういう構造になってるのか、コマ送りにしてもよく分かりません。そりゃプロの格闘家が使う技が素人に理解できたら苦労ありません。ある意味当然でしょう。
しかし、昭和のプロレスならまだ動きもゆっくりめで、技もシンプルなものが多く、素人にも理解できます。メキシカン・ストレッチやコブラツイストといったシンプルな技でも、鍛え上げたレスラーが使うだけで説得力があります。
筆者も甥っ子にせがまれ、人並みにプロレスごっこやった経験くらいはあります。腕ひしぎや四の字固めなどを掛け合って、ギャハハと笑ってギブアップ。甥っ子が帰った後、肘が痛くなってきてビックリです。小学生ごときに掛けられた関節技でこんなに痛くなるんかい!?
プロレスラーがどんだけ凄いか、身をもって知りましたとも。
技が高度に進化して、よく分からくなったとしてもプロレスの面白さは普遍です。リング外では過剰とも思えるストーリーや人間ドラマが繰り広げられ、見る者を飽きさせません。最近は若いファンやプ女子と呼ばれる女性ファン向けに、かなり爽やかなストーリーが展開されてるようですが。
暗黒時代のように暴力団の抗争を思わせる過激なアングルはめっきり影を潜めましたが、あれはあれでプロレス独自のアングラな魅力があったように思えます。が、暗黒時代も終わり、現在の隆盛を見るにつけ、ソフト路線への変更は正しい判断だったのでしょう。
どうもあの当時、プロレス界全体が迷走していた気がします。ファン離れが進み、団体も離合集散が相次ぎ、どうやればファン獲得に繋がるのか見えていなかったのではないでしょうか。プロレス界、ファン共に。
インディーズ系デスマッチがもてはやされると、アングルも暴力団の代理戦争みたいに過激になったり、総合ブームが来るとリアルファイト系団体が立ち上がったり。しかし何のことはない、昭和の黄金期のプロレス、お年寄りから子供まで楽しめる、楽しいプロレスの基本に立ち返ればよかったのですね。結果を見れば誰でも言えることなのですが。