天誅 忍百選 〜若返りマシーン〜
以上のようなネガな要素を差し引いても、本作は遊んで楽しいステルス暗殺ゲームです。似たジャンルとしてメタルギアが即座に思い浮かびますが、あちらはミリタリー色が強く、擬似3D空間なので本作と比較するのは少し違うかな、という気もします。あちらはあちらで笑って楽しめる要素もあったりしますが、本作は和風テイストが濃く、ギャグなど微塵もないので人は選ぶかと。まあ、メタルギアもかなり人を選ぶゲームではあるのですが。
いや、笑える要素もないことはないのです。筆者はヘタなので序盤の城下町ステージを好んでプレイしてたのですが、なんとこのゲームに出てくる敵は全員カナヅチだったりします。忍者なのに(笑)。
んでもって、周りが用水路に囲まれた1マスの地面に配置されてるくノ一が勝手に落っこちて溺れ死んでしまうという。しかも見たとこ、どうしても溺れるほどの深度もなさそうなんですが。これ、絶対、仕様だろ(笑)。
そういえばこのくノ一、歩き方もモンロー・ウォークがちょっと入ってて妙に色っぽかったり。敵を悩殺する忍法なんでしょうか。
ただこれらは皆小ネタの部類に過ぎず、メタルギアのような狙ったネタではないので、ちょっとクスっとする、という程度に抑えられてます。基本、ストイックなゲームですから。
しかしこの作品が恐ろしいのは、エディットモードという制約の中で作られるため、クリエイターの傾向がちょっとリアルに見えてしまうという、リアルな難点があります。
例えば、未だに記憶に残ってるのが「若返りマシーン」というタイトルのステージ。
ステージボスは名前を鬼影という、般若みたいな顔に黒装束の男。使う技も体術です。それでステージは未来世界。どうもこの鬼影が若返りマシーンで若返ったという設定のようです。これを作った人のステージは良くできており、なんと2本も採用されてます。筆者もよく遊びました。
しかもこのステージ作った人はどうも女性らしく、なんというか、その、女性の心からの願望が見える気がしてちょっと複雑な気分になったり。でも、憶えてるってことは、それだけタイトル、設定にインパクトがあったってことでしょう。採用されたのも納得です。