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モチロン誰一人彼女はいません
199×年、7月
慶次はパソコン部で部長に一太郎ばかりやらされて嫌気がさしていた。
球七中学校に入学時に幼馴染みの宏樹が言ってきた。
「慶次くん、今からはインターネットの時代ばい、先に時代を一緒に先取りせんね。女の子にもてるばい。」
慶次はパソコン室で心の底から後悔していた。
周りを見渡せばオタクでフケが肩についていそうな暗い女の子ばかり、時代に取り残された気持ちでいた。
その時、同じく幼馴染みの久保井が話かけてきた。
「エロい画像の入ったフロッピーディスクがあるばい。慶次くん一緒に見んね?親父の書斎からまたパクってきたばい。」
いつもなら乗る気な慶次だが今日はのれない。
「一時間パソコン室で仮眠してから今日も帰るかな。」
その時、ドアが勢いよくあいて怒鳴り声がパソコン室に響きわたる。
「慶次、宏樹、久保井、またお前ら三人か!!今日こそお前ら全員退部じゃ!!」
女子にパソコン部の部長にチクられ現行犯で見つかり、
慶次ら3人はこの時をもって帰宅部になった。