世界の権力者
世界の権力者
「今度の大統領誰にする?」
「それなりに人気ある方でいいんじゃないか?」
「あまり人気無さ過ぎると国民は飽きるぜ。」
「そうだな、結局俺達の傀儡だからな。」
「人間なんて常に刺激を求めているから俺達も大変だよな。」
「ああ、国々によって政治や経済や文化やその他もろもろを変えてやら無いといけないからな。」
「物の価値を教えてやるのも大変だよな。」
「そうだな。流行の先端とかスタートする場所を作ってやらないとな。」
「しかしよ、もともと人間なんて食って寝てみたいな生活だったのにな。」
「ああ、だから他の動物にない刺激を求めているんだよ。原始人の頃は少人数で狩などをしていたがうまくいかず、武器を持つことを覚え、家族達が寄り集まって外的から身を守る、その中で役割分担が決められた。その生活が進むにつれて色々な問題点が出てきた。」
「そうだよな、集団生活の中で好き勝手やってたらとんでもないからな。」
「そこで秩序ができた。しかし本々食う寝るみたいな生き物は略奪や仲間殺しを繰り返した。外的から身を守る為と思われた集落も力のある者のやりたい放題だ。」
「それでできたのが、法だ、この前では誰もかれも平等だ。」
「そしてその法を遵守させるべく番人を置いた。」
「けど法だけではうまくいかなかったよな。」
「そうだ。そこで神の登場だ。法だけでは治まらない感情を神に対する信仰と言う形で補った。」
「国々によって色んな神が出てきたよな。」
「ああ、ありとあらゆる神が祀られたな。」
「その神々達を祀って秘密結社もできたし、いろんな分野にも波及していったな。」
「高度な文明も幾つか出てきたが消滅を繰り返して今日にいったている、人間は自分達の都合のいいように歴史の改ざんを繰り返しつじつまの合わないようになると、新しい文献が出て来たとか、見落としていたなど言い訳には事欠かないほどの知能をもつようになった。」
「その知能のお陰でどれ程の生き物が幸せになり、どれ程の生き物不幸になってきたのか?」
「人間は贅沢を覚えた、この地球の支配者面して幾つもの生物機種を絶滅に追い込んだ、資源の乱獲、人工物から出る廃棄物での環境汚染、このままでは終焉は近いな。」
「この期に及んでも人間達は事の重大さに気付いていない。国々の指導者たちは自分の国の事だけを考え、力のある国が力の無い国をいじめる。」
「ちょっとまてよ、自分の国の事考えている指導者なんているのか?国の事ではなく自分の事じゃないのか?」
「そうだな、自分の地位を守りたいものだろう人間なんて。」
「上にあがりたいから序列が上の人に気に入られようとし、序列が下の人には自分の欲望の為にこき使う、しかも自分が上にあがれたら引き立てるという飴をやりながら。」
「その飴は甘いのか?」
「甘いのもあれば、苦いのもあるらしいよ。」
「苦いのって?」
「汚い仕事、まあ表には出せれない事だな、何かの拍子で表に出たら下の者に責任取らせるみたいだな。」
「それじゃあ、そんなヤツに付いたら長生きできんな。けど何でそんなヤツに付くんだ?」
「出世したいから。出世したらその度合いによって支配できる領域が広がる。例えば家や車、万人が欲しがるものはかなりの確率で手に入るだろう。」
「それで満足できるのか?」
「いや、人間は欲深いこれで良いという事は無い。物欲の次は心だ人間そのものを支配したくなる。」
「どうして人間そのものを支配したくなるのか?」
「さらに大きい欲の為だ。人を支配つまり洗脳、心の隙間に入り洗脳した人々から金と時間全てのものを奪い己の欲の為に集団を作る。」
「なぜ集団を作る?洗脳だけでいいのでは?」
「争う為だ。」
「なぜ?」
「大人数を同じ方向に向けるには限度がある。よほどのカリスマ性をもってしてもたかが知れるだろう。しかし善と悪を都合のいいように植えつければ舵取りは楽かも知れないな。」
「だから、なぜ争うんだ?」
「団結するためだ。洗脳するうえで打倒○○とか敵○○とすると同じ方向を向きやすい。自分達は正義で世界は悪とするとなおさら洗脳する方にとっては都合がいいんじゃないか。」
「皆がみんなそういう集団にはいってるのか?」
「いやそうでもない。カルト的な集団もいれば横一列な集団もいる。」
「横一列な集団とは?」
「民主主義的な集団だな。民主主義はみんなで話し合って最後は多数決で決めるそうだ。」
「ほう。その民主主義とやらは地球にとっていいのか?」
「う〜ん一概に良いとはいえない民主主義も最後は数だ。この数が癖もんだな。この数を集める為にあちこちで集団が出来る。最後はこの集団達をまとめた者が天下取れるらしい。」
「地球にとって悪い部分は?」
「利益流動型になりがちな事だな。あちこちで集団をまとめるには見返りが必要だ。例えばこの意見に賛成を条件に誰かをこの集団の中からいいポストに就けるとか。」
「そんなにいいポストに就きたいのか?」
「ああ、出世だからな。けどこんな事があちこちで起こるとだんだん相手の顔色を伺うようになる、そしてしがらみの中から出れなくなる。」
「しがらみの中からでれないとどうなる?」
「千差万別だな。初めのうちは何かを裏切ってるような気持になるらしいがその内、心のなかで自分を正当化し批判があったら誰かに責任を押し付けるようになる。」
「俺が悪いんじゃない、アイツが悪いんだ。ほとんどの人がこのような考え方らしいしね。」
「自分で自分の事を正当評価出来ないヤツに限ってわがままだから困ったもんだよな。」
「他はどんな集団があるの?」
「資本主義というのも有るらしいぞ。金持ちが労働者から労働力を買う、その労働力で私的利潤を追求する、まあよほどの馬鹿でない限り金持ちは金持ちにビンボーはビンボーのままだな。しかし金持ち、高学歴、良家に生まれれば将来を約束されたとは限らない、学歴が無くても一国の宰相になった人もいる。会社を興し経営者になったひともいる。俺の記憶が正しければこの経営者は製造業で、最先端の工場にもかかわらず、事務所はしばらく木造だった。どうして事務所は木造か?世間の風潮は事務所に金をかけるのにどうして?その経営者は言った、うちは製造業です、事務所に金をかけてもいい物は出来ません。『本物』とはこうゆう方の事だろう。」
「有る程度金持ったら見栄張りたがるのに、その経営者は質実剛健だね。」
「子供の頃から苦労しているからな。」
「じゃあこの星はこの先どうなるの?」
「食料、水、エネルギー、その他諸々の資源の争奪戦が起こるな。」
「どういう結果になるの?」
「生活水準の低下、貧富の格差、犯罪率、失業率の増加、良いことはないな。」
「俺達はどうなるの?」
「俺達は人間が居ない方が良いだろう。環境破壊するしな。」
「そうだよね。俺達数だけは居るよね。俺達全部の体重と人間全部の体重は同じだっていうしね。」
「まあ何にせよ、地球の未来も考えて貰いたいよな、アリの立場としては。」