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黒い夢と白い夢Ⅱ ――動乱の人心――  作者: 葉都菜・創作クラブ
第9章 動揺の人心 ――ポート本部――
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第39話 クリストの攻撃

※前半はクリスト視点です。

※中盤はコメット視点です。

※後半はクリスト視点です。

 【ポート山脈中部 上空 クリスト旗艦 最高司令室】


 軍艦の艦隊に突っ込んでかなりの時間がたったな。そろそろ2時間ほどか? あれからオメガ級プラズマ=キャノンは撃って来ないが、何隻かは軍艦に落とされている。そろそろヤバい。


「クリスト将軍、ジェルクス将軍とホーガム将軍率いる部隊は上陸完了し、飛空艦隊はこちらに向かっております!」

「おお、やっとか。待ちくたびれたゼ」


 これで交代だ。今度は2将軍が率いていた中型飛空艇の艦隊が軍艦の相手をすることになっている。これから俺とバシメア将軍の軍が上陸するのだが……。


「エリアG4-B45に行け」

「あの将軍、エリアG4-B45は上陸地点ではありませんが……」

「そこに山があるだろ? その山の内部には機能停止中にあるバトル=アルファ、バトル=ベータ、バトル=ガンマ、バトル=スカイ、バトル=デルタが合計で860万体ある」


 これはさっき分かったことだった。コマンダー・アレイシアのコンピューターをハッキングし、情報を得た(セキュリティをかけていないのか?)。

 山1つが完全に軍用兵器格納庫になっている。もし、これが全て起動すれば、我々は全滅だ。逆に全て破壊できれば、計り知れないほどの衝撃を受けるだろう。確実に開戦以来、最大の被害になる。


「ま、まさか……。いえ、しかし無理です!」

「安心しろ。あの山の格納庫は戦争前に造られたもの。バレた時用の“証拠隠滅機能”があるだゼ」

「な、なんです? それは」

「自爆システムだ。全部焼き尽くしてやる」


 部下たちは戸惑いながらもそっちへと中型飛空艇を向かわせる。俺の中型飛空艇だけが艦隊を離れ、戦場からやや離れた山へと向かう。さて、正念場だな。



◆◇◆



 【ポート本部 最高司令室】


 私は目の前に広がるポート山脈一帯の立体映像を見てがく然としていた。クリストを乗せた中型飛空艇が格納庫へ向かっている。ああ、マズイ。最悪だ!


「リディ准将! カルザ准将! お前たちは50万の兵を率いて直ちに格納庫へ向かえ! 何としてでも格納庫を死守しなさい!」


 2人は人間だが、父の代からビリオンに所属している人間だった。本当はロボットに任せたいが、クリスト相手にそれはマズイ。


「ご、50万ですか」

「兵を用意する時間がありません!」

「格納庫に向かう途中、出会った全てのバトル=アルファやバトル=ベータを部隊に組み込めばなんとかなるでしょ!」


 2人は驚いた顔をするが、私が睨みつけると走って最高司令室から出て行く。全く、あんな事も分からないでよく将官が務まるものだ!



◆◇◆



 【ポート山脈南部 上空】


 しばらく飛んでいると、遂に格納庫の山が見えてきた。俺を乗せた飛空艇はその中腹に突き出たプラットホームに近づくと、メインハッチを開け、大きな橋をかける。スピーダー・バイクに乗った俺はそこから兵を率いて中に乗り込んでいく。


[攻撃セヨ! 破壊セヨ!]

[攻撃セヨ! 破壊セヨ!]


 警備のバトル=アルファが数体、アサルトライフルで銃撃しながらこっちに走って来る。俺は槍の先端に大きな斧の刃を付けた武器を振り回して、一瞬にして彼らを斬り倒す。

 警備を斬り伏せると、格納庫内部に侵入する。中は暗かった。狭い橋のような作業用通路を通って進んでいく。そこら中に折りたたまれた連合の軍用兵器が100体ほどの束にされて吊り下げられている。


「将軍、あちらに扉が!」

「うむ。よく見つけた」


 鋼の扉を開けると、俺は更に進んでいく。今度は広い空間に出た。いや、さっきのエリアもここよりも遥かに広かっただろう。きっと何千倍もの大きさだったハズ。だが、上も下も左右全てが折りたたまれた軍用兵器の束で埋め尽くされていたから狭いと感じた。


「ここは武器弾薬を保管する場所でしょうか。ほとんどないところを見ると最近、運び出したのでしょう」

「そうだな」


 ここは普通の大きな部屋。さっきのような、狭い橋のような通路があるわけでもなければ、上も下も壁も見える。さっきのエリアは広大すぎて、それすら見えなかった。

 入ってきた扉とは違う小さな扉の前に着く。扉を開けると、そこは八角形をした司令室だった。俺と部下はコンピューターを操作する。


「ありました、クリスト将軍! さっきの格納庫を焼き尽くす装置です!」

「よし、やれ!」

「イエッサー!」


 部下はコンピューターを操作する。しばらくすると、建物が大きく揺れ、地鳴りがしたかと思ったら、凄まじい爆音が鳴り響く。俺は危うく倒れそうになる。


「そ、外の部下は……」


 まさか、ここまで大きな爆発とは……。司令室の外にいる部下は大丈夫なのか? 俺は慌てて司令室から出る。武器弾薬を保管するエリアは煙が上がり、一部は燃えていた。


「おお、大丈夫か!?」

「は、はい。なんとか……けが人はいません」

「そうか」


 俺は司令室とは逆方向にあった入ってきた扉を見る。分厚い鉄の扉はおろか、壁すらもなくなっていた。完全に爆発で砕け、大きな穴が開いていた。穴の先にある格納庫は業火に包まれ、小さな爆発が何度も起きていた。


「クリスト将軍、あちらの扉から行きましょう」

「そうだな。帰り道がなくなったゼ」


 俺は4000人の兵を率いて、一番大きな扉に向かう。だが、その扉は俺が開ける前に開く。現れたのは軍勢。先頭にいるのは連合軍の将校だ。後ろの軍隊は軍用兵器。連合軍の軍勢だ。


「ああ!」

「し、しまった…… 間に合わなかったか……!」

「一足遅かったな。お前たちの兵は1機残らず破壊させて貰ったゼ」

「だ、黙れ! こうなったらお前だけでも殺してやる!」

「こっちには10万近い兵がいる。楽勝だ」


 スピーダー・バイクに乗った2人の将校は俺らが4000ほどの兵力なのを見て余裕そうな表情を浮かべる。まぁ、そうなるだろうな。


「かかれ! 政府軍のクリスト将軍を殺せ!」


 その将校の号令と共にバトル=アルファやバトル=ベータで構成された軍勢は一斉にコッチに向かって来る。俺は魔法発生装置で物理シールドを張る。


「さぁ、行くゼ。生き残りたかったら、敵を倒しまくれ!」

「イエッサー!!」


 部下たちは力強い声で一斉に叫ぶように言う。俺はニヤリと笑うと、スピーダー・バイクを勢いよく発信させ、大軍に突っ込んだ!

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