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黒い夢と白い夢Ⅱ ――動乱の人心――  作者: 葉都菜・創作クラブ
第6章 生命の平等 ――情報拠点コア・シップ――
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第25話 ハンター=アルファ

※前半はパトラー視点です。

※後半はアレイシア視点です。

 【情報拠点コア・シップ 艦内】


[敵は2手に分かれている! 指揮官パトラーの方に兵を向けよ! ザコは陽動だ! 放っておけ!!]


 私はサブマシンガンで周りに群がるバトル=アルファやバトル=ベータなどと行った軍用兵器を撃ち壊していく。クソッ!


[パトラーを捕えるんだ! クロノス率いるザコ兵は放置しろ!]


 うるさいほどの銃撃音。私と敵の、だ。どんどん敵が増えてくる。私に付いてきた2人の部下はもうやられてしまった。


[パトラーを捕えよ!]


 コマンダー・アレイシアのヤツ、私を本気で捕まえる気だ。クロノスたちを放置しているところを見ると、情報拠点コア・シップ破壊はさせてくれるらしい。その引き換えに私を捕える気だ。

 両手に握ったサブマシンガンで近づいてくる軍用兵器を撃っていく。でも、キリがない。そろそろ物理シールドを張り直さないとシールドが消える!


「グォォォ!」

「…………!?」


 奥から1人の大男が出てくる。黒い服に黒いヘルメットを被り、目には黒いサングラスの大男。体長は3メートル近くある。生物兵器ハンター=アルファだ!

 ソイツはコッチに向かって走って来る。途中、味方のバトル=アルファやバトル=ベータを殴り壊しながら。アイツは邪魔だと味方の軍用兵器をも破壊する。


「生物兵器の命はどうなんだろっ!」


 私はサブマシンガンの銃口をハンター=アルファに向け、連射する。無数の銃弾が彼の身体に撃ち込まれていく。だが、あの生物兵器はタフだ。急所を狙ってもなかなか倒れない。

 ハンター=アルファは私に近づくと、容赦なしに勢いよく拳を振り下ろす。私は素早く避ける。大きなその拳は空振りに終わる。

 私はハンター=アルファの足元にハンドボムを転がし、即刻大きくジャンプして後ろに下がる。爆発。床が揺れ、炎と煙が上がる。


「グォォォ――!」


 煙の中からお腹に響く雄叫びが上がる。ハンター=アルファが走って来る。彼の目の前を歩くバトル=アルファが拳で殴り伏せられる。

 私はその場から逃げ出す。あんな怪物とマトモにやってられない。だが、足はあっちの方が遥かに早い。たちまち追いついて来る。


「クッ!」


 走る私の背中に彼は拳を振り下ろす。その場に叩き伏せられる。物理シールドを張っていなかったら背骨がへし折れていただろう。

 床に殴り伏せると、ハンター=アルファは思いっきり横から私の横腹を蹴り、やや距離のあった壁まで吹っ飛ばす。私の身体は金属の壁にぶつかる。物理シールドを張っているのに普通に蹴られたかのように痛い。


「うっぐぅ……!」


 私は涙目になりながら立ち上がる。歩いてくるハンター=アルファ。彼に向けてハンドボムを投げる。再び爆発。それと共に私は彼に背を向けて走り出す。

 だが、行く方向にはバトル=アルファやバトル=ベータ、更には上位機種に当たるバトル=メシェディやバトル=パラディンまでいた。

 その時、腕に付けた通信機が鳴る。私は震える手でボタン押す。すると、そこにコマンダー・アレイシアの姿が映し出される。


「な、なんの用だッ……!」

[もう時間稼ぎは充分だ。降伏してもいいぞ]

「だ、誰が!」


 そう言った瞬間、後ろから右頬を殴られる。ハンター=アルファの拳だった。殴られると同時に物理シールドは消滅した。

 私の身体は宙を舞い、バトル=アルファ数体を巻き込んで勢いよく倒れる。通信機は壊れず、コマンダー・アレイシアの姿を映したままだ。


[今のは痛かったか? ごめんな]

「こ、降伏しないッ! 乗り込み作戦の度に捕まるのはもういやだ!」

[そう意地張るな。悪いようにはしない]

「うるさい!」


 私は近くに落ちたアサルトライフルを拾う。そう毎度毎度捕まりたくはなかった。コマンダー・アレイシアのいう通り意地なのかもしれないけど……。

 その時、バトル=パラディンが私のお腹に槍を向け、軽く突き刺す! その槍の先端には強い電流を纏っていた。私は強い痛みを身体中に受け、あっけなく気を失った。



◆◇◆



 【情報拠点コア・シップ 最高司令室】


 コア・シップの上部に突き出るようにして造られた最高司令室。扉が開き、バトル=パラディンに連れられたパトラーが引きずられてくる。


[コマンダー・アレイシア少将、パトラーを捕えました]

「ご苦労。下がれ」

[イエッサー]


 そのバトル=パラディンはパトラーを私の足元に放り投げると、去って行く。もっと丁寧に扱え、鉄クズが。


「大丈夫か?」

「うっ、ぐぅっ……」

「大丈夫そうだ」


 私は最高司令室の画面に目を移す。クロノス率いる隊は“無事に”爆弾をしかけ終わったところだ。彼は腕につけた無線機を操作していた。その時、パトラーの無線機に通信が入る。


「クッ……」


 パトラーは意識をもうろうとさせながらも通信機のスイッチを入れる。クロノスの姿が映し出される。


[パトラー少将、作戦は完了。あとは脱出するだけです]

「んぐ……、あぁ、うん。了解。作戦、続けて……」

[イエッサー! 予定通りプラットホームで落ち合いましょう]

「いや、私、はいいから。先に本部へ戻って……。爆弾、作動させて……」

[えっ、しかし]

「私は、大丈夫だから……」

[イエッサー]


 そう言うと通信は遮断される。パトラーは荒い息を立てながらその場にぐったりとうつ伏せになる。ちょっと電撃が効き過ぎたな。

 私はパトラーを抱き起すと、誰もいない最高司令室から出る。浮かばせておくだけだから特に操縦は必要なかった。

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