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黒い夢と白い夢Ⅱ ――動乱の人心――  作者: 葉都菜・創作クラブ
第6章 生命の平等 ――情報拠点コア・シップ――
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第24話 情報拠点コア・シップ

※パトラー視点です。

 【グランド州 南部空域】


 1機の白いガンシップが蒼い空を飛ぶ。窓からは白い雲と輝く太陽が見える。作戦実行の兵士5名に加え、私とクロノス。合計で7名で作戦を実行する事になった。

 作戦内容は単純で、コア・シップ内に潜入。左半球の下部にあるエネルギー制御装置と発電装置に爆弾をしかけ、脱出後に爆発させて破壊予定だ。


[パトラー少将、見えてきました。情報拠点コア・シップです]


 運転席から連絡が入る。私は窓から情報拠点コア・シップを見る。大きな球状の空に要塞が浮かんでいる。それは高度に改造され、キレイな球状の要塞ではなく、無数の砲台や着陸用のプラットホームが突き出ていた。


「大丈夫ですかな?」

「……問題ないよ」


 コマンダー・アレイシア曰く“安心して来い”。やっぱり、彼女が司令官でよかったような気がしてきた。本来は侵入するだけで一苦労かかるハズだった。

 私は事前にコマンダー・アレイシアから教えて貰っていたプラットホームへと向かう。右半球の上部だ。ご丁寧に目的地から一番遠いプラットホーム。

 ガンシップはプラットホームに着陸し、私たちを降ろすとまた飛んで行った。あとで、左半球下部のプラットホームで落ち合う予定だ。



[緊急事態発生。エリア4-BG7にて侵入者を感知しました]


 しばらく情報拠点コア・シップの外部エリアを歩いて行くと、警報音が鳴り響きだした。早くも見つかったらしい。

 近くの扉が開き、黒いレザースーツを着た女性兵士が4人出てくる。頭部には白色をしたヘルメットのような装甲。


「侵入者に告ぐ! 直ちに降伏せよ!」

「誰が!」


 私は魔法発生装置を取り出す。部下の兵士達も同じようにして魔法発生装置を取り出す。別方向からはバトル=アルファがやって来ていた。


「クロノス、兵士3名を率いて第2ルートから」

「イエッサー」


 クロノスは3人の兵士を率いて走って行く。彼らの進路方向には無数のバトル=アルファとバトル=ベータがいるけど、大丈夫だろう。彼らならやってくれる。


「ふん、最高司令室に行くにしてはずいぶん遠回りなルートで行かせるんだな、パトラー少将」

「…………」


 彼女たちは気がついていないみたいだけど、本当の目的はエネルギー制御エリアと発電アリア。最高司令室ではない。

 私は自分にメタル・シールドを張ると、剣を引き抜いて彼女たちに向かって行く。先頭の女性兵士を斬りつける。物理シールドを張っているらしく、ダメージはほとんどない。

 彼女は手をかざし、私に向かって衝撃弾を撃つ。白い球状の魔法弾が飛んできた。それは私に当たり爆発する。


「クッ……!」


 私はやや吹き飛ばされるも、なんとか持ちこたえ、剣で再び彼女を攻撃しようとする。だが、その前に彼女は勢いよく私に近づいて来ていた!

 近づいてきた女性兵士は私を高く蹴り上げる。メタル・シールドを張っているからそんなにダメージはないけど、それも痛みと衝撃が蹴られたお腹に走る。

 私の身体は空中に打ち上げられる。そこに魔法のサンダーを落とされる。空から一筋の細い雷が私の身体を貫き、金属の床に叩き落す。


「ゲホッ……! ぐぅッ……」


 床に叩き落されるも、私は痛みにこらえながら立ち上がる。そして、再び近づいてきた女性兵士に向かって魔法発生装置を振る。火炎弾が飛び、彼女の胸で爆発する。爆音と共に火柱が立ち上がる。

 彼女はその場に倒れる。だが、まだ女性兵士は2人いる。彼女たちはアサルトソードを握ってが近づいてくる。


「死にたくなかったら降伏するんだ!」

「誰が降伏するか! お前を捕えてアレイシア少将に突きだしてやる!」

「クッ……!」


 2人の女性兵士は一気に距離を縮めてくる。私はやむ負えず魔法発生装置を振る。1人の女性兵士にサンダーが落とされる。頭を貫いた。彼女はその場に倒れる。

 もう1人の女兵が私に向けて剣を振り下ろす。私はそれを自分の剣で防ぐ。目の前で大きな金属音が鳴り響き、火花が僅かに散る。


「降伏するんだ……! 殺したくない!」

「うるさい!」


 彼女はそう叫ぶように言うと、大きくジャンプして私と距離を取ろうとする。だが、その隙を見逃さなかった。私は素早くハンドガンを取り出し、それで彼女を狙い撃ちにした。乾いた音と共に銃弾が飛び、血が舞う。彼女は生きて着地しなかった。


「お見事です、少将」

「……行こう」


 私は1人の女兵を倒した兵士2人と共に扉を開け、情報拠点コア・シップ内へと進んでいく。4人の女性兵士はみんな死んだ。出来ることなら殺したくなかった……。

 コマンダー・アレイシアから事前に聞かされていた。この情報拠点コア・シップにはバトル=アルファなどの軍用兵器以外に特殊部隊がいると。

 さっきの子たちだ。あの子たちはコマンダー・アレイシアと同じフィルドさんをベースにしたクローンだった。

 殺したくない。クローンでも同じ命ある人間。バトル=アルファやバトル=ベータのように機械によって生まれても、人間なんだ……!


「パトラー少将、敵です!」

「……うん」


 目の前にはバトル=アルファの軍団。私はサブマシンガンを取り出す。クローン兵は他にもいるだろう。また出会うかも知れない。私は彼女たちを殺さなきゃいけない。例え、イヤでも……。


[攻撃セヨ! 破壊セヨ!]

[攻撃セヨ! 破壊セヨ!]


 それが戦いだった……。

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