第24話 情報拠点コア・シップ
※パトラー視点です。
【グランド州 南部空域】
1機の白いガンシップが蒼い空を飛ぶ。窓からは白い雲と輝く太陽が見える。作戦実行の兵士5名に加え、私とクロノス。合計で7名で作戦を実行する事になった。
作戦内容は単純で、コア・シップ内に潜入。左半球の下部にあるエネルギー制御装置と発電装置に爆弾をしかけ、脱出後に爆発させて破壊予定だ。
[パトラー少将、見えてきました。情報拠点コア・シップです]
運転席から連絡が入る。私は窓から情報拠点コア・シップを見る。大きな球状の空に要塞が浮かんでいる。それは高度に改造され、キレイな球状の要塞ではなく、無数の砲台や着陸用のプラットホームが突き出ていた。
「大丈夫ですかな?」
「……問題ないよ」
コマンダー・アレイシア曰く“安心して来い”。やっぱり、彼女が司令官でよかったような気がしてきた。本来は侵入するだけで一苦労かかるハズだった。
私は事前にコマンダー・アレイシアから教えて貰っていたプラットホームへと向かう。右半球の上部だ。ご丁寧に目的地から一番遠いプラットホーム。
ガンシップはプラットホームに着陸し、私たちを降ろすとまた飛んで行った。あとで、左半球下部のプラットホームで落ち合う予定だ。
[緊急事態発生。エリア4-BG7にて侵入者を感知しました]
しばらく情報拠点コア・シップの外部エリアを歩いて行くと、警報音が鳴り響きだした。早くも見つかったらしい。
近くの扉が開き、黒いレザースーツを着た女性兵士が4人出てくる。頭部には白色をしたヘルメットのような装甲。
「侵入者に告ぐ! 直ちに降伏せよ!」
「誰が!」
私は魔法発生装置を取り出す。部下の兵士達も同じようにして魔法発生装置を取り出す。別方向からはバトル=アルファがやって来ていた。
「クロノス、兵士3名を率いて第2ルートから」
「イエッサー」
クロノスは3人の兵士を率いて走って行く。彼らの進路方向には無数のバトル=アルファとバトル=ベータがいるけど、大丈夫だろう。彼らならやってくれる。
「ふん、最高司令室に行くにしてはずいぶん遠回りなルートで行かせるんだな、パトラー少将」
「…………」
彼女たちは気がついていないみたいだけど、本当の目的はエネルギー制御エリアと発電アリア。最高司令室ではない。
私は自分にメタル・シールドを張ると、剣を引き抜いて彼女たちに向かって行く。先頭の女性兵士を斬りつける。物理シールドを張っているらしく、ダメージはほとんどない。
彼女は手をかざし、私に向かって衝撃弾を撃つ。白い球状の魔法弾が飛んできた。それは私に当たり爆発する。
「クッ……!」
私はやや吹き飛ばされるも、なんとか持ちこたえ、剣で再び彼女を攻撃しようとする。だが、その前に彼女は勢いよく私に近づいて来ていた!
近づいてきた女性兵士は私を高く蹴り上げる。メタル・シールドを張っているからそんなにダメージはないけど、それも痛みと衝撃が蹴られたお腹に走る。
私の身体は空中に打ち上げられる。そこに魔法のサンダーを落とされる。空から一筋の細い雷が私の身体を貫き、金属の床に叩き落す。
「ゲホッ……! ぐぅッ……」
床に叩き落されるも、私は痛みにこらえながら立ち上がる。そして、再び近づいてきた女性兵士に向かって魔法発生装置を振る。火炎弾が飛び、彼女の胸で爆発する。爆音と共に火柱が立ち上がる。
彼女はその場に倒れる。だが、まだ女性兵士は2人いる。彼女たちはアサルトソードを握ってが近づいてくる。
「死にたくなかったら降伏するんだ!」
「誰が降伏するか! お前を捕えてアレイシア少将に突きだしてやる!」
「クッ……!」
2人の女性兵士は一気に距離を縮めてくる。私はやむ負えず魔法発生装置を振る。1人の女性兵士にサンダーが落とされる。頭を貫いた。彼女はその場に倒れる。
もう1人の女兵が私に向けて剣を振り下ろす。私はそれを自分の剣で防ぐ。目の前で大きな金属音が鳴り響き、火花が僅かに散る。
「降伏するんだ……! 殺したくない!」
「うるさい!」
彼女はそう叫ぶように言うと、大きくジャンプして私と距離を取ろうとする。だが、その隙を見逃さなかった。私は素早くハンドガンを取り出し、それで彼女を狙い撃ちにした。乾いた音と共に銃弾が飛び、血が舞う。彼女は生きて着地しなかった。
「お見事です、少将」
「……行こう」
私は1人の女兵を倒した兵士2人と共に扉を開け、情報拠点コア・シップ内へと進んでいく。4人の女性兵士はみんな死んだ。出来ることなら殺したくなかった……。
コマンダー・アレイシアから事前に聞かされていた。この情報拠点コア・シップにはバトル=アルファなどの軍用兵器以外に特殊部隊がいると。
さっきの子たちだ。あの子たちはコマンダー・アレイシアと同じフィルドさんをベースにしたクローンだった。
殺したくない。クローンでも同じ命ある人間。バトル=アルファやバトル=ベータのように機械によって生まれても、人間なんだ……!
「パトラー少将、敵です!」
「……うん」
目の前にはバトル=アルファの軍団。私はサブマシンガンを取り出す。クローン兵は他にもいるだろう。また出会うかも知れない。私は彼女たちを殺さなきゃいけない。例え、イヤでも……。
[攻撃セヨ! 破壊セヨ!]
[攻撃セヨ! 破壊セヨ!]
それが戦いだった……。




