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黒い夢と白い夢Ⅱ ――動乱の人心――  作者: 葉都菜・創作クラブ
第6章 生命の平等 ――情報拠点コア・シップ――
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第23話 軍勢派遣

※前半はコマンダー・アレイシア視点です。

※後半はパトラー視点です。

 【ポート本部 最高司令室】


 あの実験から10日がたったある日、私たちの前に4人の男性がやって来た。手足と胴体部分に黒い装甲服を着て、白いマントをまとった連合軍の中将だ。

 プロヴィデンス中将、フリゲート中将、アクセラ中将、ゴリアテ中将。実力で中将の地位を手に入れた連合政府の猛将たちだった。


「お呼びに御座いますか? コメット閣下」

「お前たちを呼んだのは他でもないわ。政府軍はレーフェンス州・ポート州・グランド州・サフェルト州に軍勢を集め、我がポート本部を攻撃しようと企んでいる」


 コメットが言う。そりゃそうだろう。ポート本部で新兵器が開発されたのだから。実はその情報を流したのは私。私たちクローンを実験で虐殺するコメットをもう見ていられない。


「お前たちはそれぞれ軍艦30隻、兵力60万を率いて敵を殲滅して貰いたい」


 コメットは4中将に作戦の詳細を伝えていく。プロヴィデンス中将はレーフェンス州。フリゲート中将はグランド州。アクセラ中将はポート州。ゴリアテ中将はサフェルト州に向かう事となった。

 作戦が伝えられると、彼らは一礼して去って行く。彼らなら政府軍と戦って勝てる見込みは五分五分だろうな……。


「コマンダー・アレイシア」

「何でしょうか?」

「お前もフリゲート中将と共にグランド州へ行け」

「えっ? 私もですか?」


 ああ、ヤバい。グランド州の政府軍を率いるのはホーガム将軍とパトラー。ホーガムはさておき、パトラーが……。


「グランド州には連合専用通信センターのコア・シップがある。そこを破壊されたら我々は危うくなるわ」


 コア・シップは球状の大型飛空艇だ。全高・全長・全幅共に1800メートルぐらいある。本来は貨物艦なのだが、高度に改造され、通信拠点となっている。ポート本部からすれば重要施設なのだ。


「……イエッサー」


 私はそう言い、薄暗いポート本部の最高司令室から出て行く。

 ホント、最悪だ。恐らくホーガム率いる政府軍を相手するのはフリゲートとなる。私はコア・シップの防衛。パトラーはまた1人で乗り込んでくるだろう。通信拠点コア・シップに。


「あ、そうそう、コマンダー・アレイシア」

「何ですか?」



◆◇◆



 【産業都市グランドシティ グランド防衛師団本部 最高司令室】


 明るいグランド防衛師団本部の最高司令室。私は窓から夕日を見ていた。雲が黄金色に輝いている。凄くキレイな光景だ。


「今回の我々の任務はグランドシティから南下し、ポート本部の制圧及びコメットの逮捕。新兵器の回収。この3点となっている」


 ホーガム将軍が私たち将官に説明をしていく。ホーガム将軍はベテランの軍人だ。兵力20万に中型飛空艇10隻。たぶん成功する。


「ただ、連合軍のフリゲート中将が軍勢を率いてグランド州南部に進軍している。我々はまず彼を討たねばならない。そこで、――」


 ホーガム将軍は将官たちに作戦の指示を出していく。軍をいくつかに分け、多方向から奪われたグランド州南部の郡都を制圧しつつ、フリゲート軍を撃破していく。そういう作戦だった。


「パトラー少将は、“いつもの作戦”を頼む」

「了解!」


 私は元気よく返事をすると、最高司令室から出て行く。私の目的地は情報拠点のコア・シップ特殊艦だった。そこを破壊すれば、連合軍が使うこの辺り一帯の秘密通信システムを遮断出来る。

 情報拠点コア・シップを失えば、上級の暗号通信が使えなくなり、また普通の通信も盗聴・妨害されやすくなる。


「パトラー少将、今回はどのような作戦で?」


 金色の夕日が窓から差し込む廊下にいた部下のクロノスが聞いてくる。彼は私の副官でもあり、ほとんどの作戦を共にしていた。


「情報拠点コア・シップを破壊するんだ」

「あそこを……」

「うん。今回は私だけじゃなくて、クロノスと兵士5人を連れて行こうと思う」

「イエッサー。すぐに準備します。あと、先ほどコア・シップの指揮官が分かりました。指揮官はコマンダー・アレイシアだそうです」

「……えっ?」


 私はその場に凍り付く。コマンダー・アレイシアが……!? 情報拠点コア・シップの指揮官はてっきりバトル=アレスなどの上位機種の指揮官ロボットだと思っていた。でも、まさかコマンダー・アレイシアが指揮官なんて……。


「……分かった」

「あのフィルド閣下のクローンだそうです……。苦戦が考えられますな」

「…………」


 私はクロノスと別れ、さっそく出撃の準備にかかる。


 苦戦、か。苦戦というより、彼女と私は裏で繋がってるから色々マズイ。彼女が私を捕えたら、イヤでも連合軍に引き出さなきゃならない。私が彼女を捕えても、同じことがいえる。

 私が1人で行くのならさておき、さすがに1人じゃコア・シップは壊せない。警備体制も厳重だろう。何があるか分かったもんじゃない。


 それでも行かなきゃ。情報拠点コア・シップを破壊しない限り、ポート本部へと行くのは難しい。それに、情報拠点コア・シップは高度な通信盗聴・妨害システムでもある。

 今回、連合軍がやたら早く私たちの動きを察知し、すぐに軍を派遣できたのもそれのおかげだった。アレを壊さない限り、ポート本部攻撃は難しい。

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