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ヘリオスの末裔  作者: まきの・えり


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8/8

       8

 土曜日だった。土日と学校は連休だ。

 私は、ジャングルの中を、ハムスターの姿で走り回っていた。まだ、皆は寝ているので、好き放題だ。

 おや? ハムスターが増えている……

「わあ、楽しい」と真由の意識が。

「最高!」というのは、里中君?

「うふふ」と啓子は、ハムスターの毛を長くして、輝かせている模様。

 やめてとは言わないが、不気味な姿だ……

「おい、おい」と立ち上がるハムスターは、小橋君か。

「マジかよ。俺の目が変な訳? あれって、金西恩だよな、北朝連の。ローヤのフーチンに、通国の中金平までいるぞ」

「う~ん、何の話?」と私。

 どうせ、フレームが欲しいんだろう。

 スマートになりたい、若くなりたい、強くなりたい。

 お金が欲しい、権力が欲しい、永遠の命が欲しい。

 もっと、もっと、もっと。

 たくさん、たくさん、たくさん。

 欲しい、欲しい、欲しい。

 アマリカのスランプ大統領は、フレームがたくさん欲しいと言ったらしい。

 二本の高石首相も。

 たくさんのフレームを何に使うつもりだろう。

「先輩は、姿が変わらないな」と小橋君。

 見ると、三人のおじさん達を、お兄様が温泉旅館に案内しているところだった。

 今回は、ジャングルは、ほぼ放置されたままだ。

 ま、どうでもいいか、と思って、私は走り回った。他の四人(匹?)も同じように走り回っていた。

 一瞬で別の地面に現れてみたり、こっそり?と、おじさん達のいる場所に現れようとして、そこには行きつけなかったりした。

「あなた達、もう夜が明けたわよ」とミーアキャットが言った。

「起きてる子もいるわよ」

 そうか~、いつまでも走り回っていたかったが、仕方なく、人間の姿にした。

 同時に、他の四人も人間の姿になった、お揃いの旅館の寝巻をだらしなく着て。

「これって、世界征服ってことだよね」と背の伸びた小橋君。

「小橋、余分な知識、詰めすぎ」と美しい黒髪の啓子。

「小橋って、何言ってんのか、わかんな~い]

「ねえ」というのは、同じ顔になった真由と里中君。

 お兄様は、何を考えているのだろう、というのは、物事が理解の範囲を超えている私だった。


 女子が入り乱れて寝ている部屋に、啓子と真由で戻った。

「ずる~い」という声がした。藤原加奈だ。

「どこ行ってたのよ。私も誘ってよ、山下さん」と頬をふくらませている。

「う、うん」と私の歯切れは、やはり悪い。

 まさか、ハムスターになって走り回って、楽しかった~、とは言えない。

「藤原さん、すっごくよく寝てたから、起こすの、悪いと思って」とさすが、啓子。

「ええ? そんなに、よく寝てた?」

「うん」と私。多分。

「あの……いびきとか……」

「ぜーんぜん。すやすや寝てた」と真由。

「良かった~」と藤原加奈。

 いびきとか、というのは何なのだろう……

「うるさいな~」

「寝られない」

 と他の女子も次々と起きてきた。

 なぜか、クラスの女子全員と男子全員が、山下村温泉旅館に泊まりに来ることになってしまった。

 引率は、担任の大石先生。

 どういう流れで、こういうことになったのかは、私には不明だ。

 塾に行かなければならない、と言っていた生徒も、なぜか参加している。

 もう一つ、ずっと学校を休んでいた男子まで、大石先生の説得で参加した。

 何で、学校を休んでいたのだろう。

 それなのに、何で、参加したのだろう。


 そういうことは、皆で共有のはずの知識にも入ってはいない。

 お兄様は、知っているのだろうか。

 知っているのだろう。

 だって、その少年には、フレームがあったから。






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