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ヘリオスの末裔 1
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珍しく夢を見ていた。
どこまでも広がる大草原に、私は一人きりで立っている。
ここは、一体、どこなんだろう。草原を渡ってくる風よりも、頭上の太陽が照り付けるのが嬉しい。
私は、突然走り出す。現実とは違い、飛んでいるかのように走ることができる。
私は風なんだろうか。
私は、突然立ち止まる。
仲間が見えた。はるか遠くに、ぽつぽつと。
「お~~い」と私は、大きな声で呼びかけた。
はずだったが、ひよ~~という風のような声が出ただけだった。
「お~~い、お~~い、お~~い」
ひょ~、ひょ~、ひよ~…
私は、また走り出す。
ほぼ一瞬で、仲間の前まで走る。
今まで一人きりでいたので、仲間に出会えて嬉しかった。
違う、と私は思う。
仲間ではない。
これは、ただの贄だ。
しかも、太陽に照り付けられているせいか、干からびかけている。
その上、彼らには、私の姿が目に映らないようだ。
私の姿?
私の姿とは、何のことだ?
自分の姿を見ようと、私は、自分の手、自分の足を見ようとした。
その瞬間、夢は破れ、自分が誰なのか分らぬまま、私は目が覚めた。




