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第83話 ホーンラットのダンジョン、1人で奥地まで行ってしまう

昼休憩も終わり再びダンジョンの防火扉前についた3人


「道幅はそれなりにあるのに結構入り組んでて、MAPが無かったらここまで来るのにも毎回苦労しそうですね」

斑鳩イカルガは、今更だけどMAPの有難みを噛み締める


「そうだな、だがここから先は斑鳩!お前1人で探索するんだ!

扉を開けたせいか、扉前にも関わらず臭いで限界が近い少し離れるぞ

うぇっ」

瀧山講師は、そういうと離れて行く


「斑鳩君頑張ってね!私もそろそろ限界だから少し離れる。ウッ…」


そういうと、瀧山講師と辻本さんは100m近く離れて行った。

『嗅覚コントロール』スキルがある斑鳩だけが1人ポツンと残される。



「………サポートは?魔物誘き寄せる煙を焚いて間引いてくれるとか言ってたのは?」

斑鳩の声は誰にも聞こえていなかった……


「しょうがない!今日は昼からだし、ちょっとだけ様子を見てみるか!このまま何もしないでいると、ここまで来た意味がない」


独り言をいうと、斑鳩は1人で防火扉の奥に進んだ。


相変わらず定期的に斑鳩の足にはアクセサリーのようにホーンラットが齧りついてぶら下がっている。

慣れたもんで、痛いと思ったら確認もせずに鷲掴みで地面に叩きつけるようになっていた。

他の2人の様に噛まれる前に避けるや倒す等は真似できないと思って諦めていた。



思った程ホーンラットは居てなかったのでいつの間にか体感で1km程進んでいた。


臭いが発生してから誰も探索はしてなかったようで手探り状態であったが順調だった。


奥に行けば行くほどホーンラットは居なかった。

どうやらこの臭い、ホーンラットにも無理な臭いだったみたいだ。


一度ホーンラットが発生する貴重な現場に出くわした。

すると、出現した瞬間に斑鳩の事を無視して防火扉の方に走って行った。


昨日、防火扉からホーンラットが大量に出てきたのもこの臭いのせいだったのかもしれない


更に1km程進むと少し開けた場所の入り口に立っていた。

外からコッソリ覗くと中には、

1輪と言っていいのか解らないが

5m程のコンニャクの花が咲いていた。


現実世界では質量的にあり得ないサイズである。

もし5mにもなれば、自重で潰れるしかないサイズ


勿論そんな訳の解らない存在がこちらを警戒している様な素振りを見せるわけもない


「ヤバっ」

思わず、コンニャクの花に見つかった事で声を上げてしまった。

気が付いた時には、斑鳩は吹き飛ばされ

そしてそのまま気を失ってしまう。


……

………


何分経ったか解らないが、通路から覗き込んでいたので吹き飛ばされた方向が来た道だった為になんとか助かった。

それと、『強固(小)』『自己治癒(中)』

の御蔭で今は痛みもない


ただ解った事がある。

奴は音に反応するということだ

覗き込んでいた時には、顔があるのか解らないがこちらを振り向いた気がしたが攻撃にはいたらなかった。

なので推測だがコッソリ近付くぶんには怪しまれるが攻撃には至らない


試しに近くに落ちていた小石を通路から投げ入れてみる。

すると小石の飛行音には若干反応するが正確な位置は解らないようで攻撃はなかったが

地面に小石が落ちた瞬間に葉っぱの様な部分で小石を攻撃した。


ここまで解ったはいいが、教習所を卒業もしていない斑鳩にはどうしても経験が足りない

どうやって倒せばいいかが思いつかなかった………


取り敢えずこのまま何もせず逃げ帰ってしまうと何を言われるか解らないから

一応植物っぽいし水以外の液体をかけたらどうなるかと思い


ワーカーセットに入っていた野営用のアルコール系の燃料を容器ごと投げ付けてみた。

すると案の定、飛んでいる途中は特に何もしなかったが地面に落ちた瞬間叩き潰した。

そして液体が着いた部分を執拗に振り回している。

暫くすると動きが止まった。


良く見ると、液体のかかった跡であろう場所が白くなっている。

普通の植物ではこんな事は起こらないが

動く謎生物、振り回したせいか余分に水分を飛ばしているみたいだった。


だからと言って、表面が変色した程度では到底倒せるとは思えない。


一応、弱点が解ったと言う事で

撤退をする事にした。



防火扉の外に戻ると誰も居なかった………


入る時は100m向こうにはいたけどそこにもいなかった……


1人トボトボと出口に向かうと瀧山講師と辻本さんに出会ったが、頑張ったのに


瀧山講師が

「くさっ近寄んないで!」

ヒドイ言われようだ………


言葉には出さないが、辻本さんも鼻を摘んでいる。


取り敢えず奥で巨大なコンニャクの花みたいなのが存在した事と、弱点かもしれないアルコール系の燃料の話をした。



2人は、コンニャクなんて珍しい花見たかったな〜みたいに言っては居るが

見ることは諦めている口ぶりだった。


確かに滅多に咲かない種類のコンニャクの花は咲きそうになったら色々な所で取り上げられていた気がする。



瀧山講師が暫く考えた後で

「いけるかもしれないな。燃料の一斗缶を奥まで持って行ってかけ続けたら倒せるかもしれない!」


「ぇ゙っ?俺1人でですか?」


「大変な事は解るんですが、斑鳩君しか其処には辿り着けないからやってもらうしかないです。」


決定事項らしかった………


「取り敢えず、入り口の売店で大量に燃料買えるか聞こう!」


「斑鳩君は、シャワー浴びてきてね。調達は任せといて!」


さり気なく遠ざけられた斑鳩であった………


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