第76話 敵はホーンラビットじゃなかった
教習所でワーカー装備を借りた次の日
朝からハムスターのキャシーに魔石をあげ
ダンジョンへ向かう待ち合わせの場所に行こうとすると
『今日もご苦労、何時かえってくるの?私のお世話は?ご飯は?魔石は?』
どうやらダンジョンに行く話を聞いてた様で色々心配になってきた様だ
「一応、母親に世話を頼んでるからご飯や掃除の問題は大丈夫!じゃあ行ってくるよ」
『待ってそうじゃない、大切な事を忘れてない?魔石よ魔石!せめていない間耐えれるだけ頂戴
あたしのこと、好きなように弄んでもいいから。お・ね・が・い』
ちょっと意味が解らなかったけど、魔石がどうしても欲しいみたいだった。
「はあ………
ちょっと待ってろ」
そう言って玄関に隠しておいたペットボトルから魔石を何個か持ってくる。
「これでいいか?何日もかからないとは思うけど、これで我慢してくれ」
『………』
さっき魔石を飲み込んだ?食べた?ばかりなのに、スルスルと魔石を飲み込んで行く
『うむ、良い心がけじゃ
早く帰ってくるようにの、
今、魔石のストックは1個だけじゃ
不安で不安でしょうが無い
本当にお願いします……』
キャラがブレまくっている
「なるべく早く帰ってくるよ、じゃあ今度こそ本当に行ってくるよ」
待ち合わせをしていた時間の朝7時に着くと
既に辻本さんと、瀧山講師がそこにはいた。
「おはよ〜」「おはよ」「おはようございます。」
「じゃあ行こっか、ちょっと遠いけどそのうち着くから」
瀧山講師の車で3人は山奥のダンジョンに向けて出発した。
運転手→瀧山講師
助手席→辻本さん
後部座席→斑鳩
女同士、同じ様な職業の事もあり楽しそうに話していた。
ダンジョンに着くまで、斑鳩は空気になっていた。
空気ついでに、そのまま寝ていた………
「ついたよ〜、1人だけ寝てるなんて
これは働いて貰うしかないな」
瀧山講師は、若干イラッとしている。
「1人だけ後ろで、ふて寝してたんですよ!
寂しかったんですよ!」
斑鳩は逆ギレをする。
「あ〜、そういえばそうだった。
忘れていたわ」
瀧山講師は、斑鳩が辻本さんに若干気がある事を思い出してくれた。
気があるというより、思春期の男の子が女の人と喋れて嬉しい感じだけど
そんな事は、瀧本講師には解っていない
「まあまあ、取り敢えず今は水の確保と足りない食材買って取り敢えず入ってみましょう。
今回の初突入で攻略出来るとは限らないから何度か入らないといけないかもしれないけど、途中までは地図が出来てるみたいだし
それなりには進めるでしょ」
辻本さんが、いつの間にかリーダーの様になっている。
ダンジョン前の売店兼受付に行くと
「おやっ珍しいね〜
最近は、何時人が来たか解らない位人が来てなかったからさ〜何時も暇だったのよ〜」
受付のオバチャンに珍しがられた。
「この子が初心者だから、ちょっと遠出してあんまり人がいなさそうな所に来たのよ
人気のある所に行くとモンスターがあんまりいないからね」
「そうよね〜初心者の子がいたら人気のある所は大変よね〜
ここは、ちっこいのしかいないから別の意味で大変だけどね」
「普通のホーンラビットですよね?大きくても仔犬位のサイズとか言われてる」
斑鳩は初めてのダンジョンの事もあり、ちっこいのとか言う言葉に引っ掛かった。
「ホーンラビット?ホーンラットだよ?」
「「「えっ?」」」
3人は違う名前を言われたので思わず聞き返してしまう。
「前まではねホーンラビットだったんだけどね
人が来なくなって、それでも偶に来る人はいるんだよ
そして何時の頃からか、ホーンラビットが減っていって、いつの間にかホーンラットばかり増えた感じだね」
受付兼売店のオバチャンが教えてくれた。
辻本さんが思いついたかのように
「あっ!でも初心者にとってはいいかもね。」
「うむ、その通り!ホーンラビットと競うように最弱の座を取り合ってるホーンラット
奴等は爪がホーンラビットよりはないけど
牙が噛まれると噛むというより
刺されるみたいな感じになるのが注意点
だが所詮歯だから余程の事がない限り軽症で済む。余裕だな」
「本当なんですか?何か他に注意点とかあったりします?」
「まあ…刺す感じの歯だから急所には忘れず装備をしとかないといけない感じだな
噛まれる様なそんな間抜けはいないとは思いたい」
その後、斑鳩は首部分にチョーカーの様な装備し
手足首にリストバンドのような防具を装着した。
万が一噛まれたら血が噴き出るみたいだし
噛まれて痛がったら、瀧山講師にバカにされるのが目に見えていたからだ。
恐らく、ダンジョンに入ると又遠慮なく酒を飲み出しそうだし……




