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第65話 生死をかけたマラソン

謎空間から戻った斑鳩


「大丈夫?斑鳩?

ボーッとしてたけど?」


瀧山講師に心配されている。

顔が近くて若干酒臭い。


 横にいる辻本さんの方を見ると、これはこれで顔が真っ青になっている………


「辻本さん!時間がありません、方向をお願いします!」


「この『神託』間違いではなかったか……

こっちよ、2人とも走るよ

この野道を道なりに走れば安全地帯に到着する!

直線だと500mほどだけど、曲がりくねった道だから倍はあると見ておいた方がいい

大体5分もあれば着くはず!」


 3人の命をかけたマラソンが始まった。


 先に有るのは、先程までダンジョンの入り口だった場所になる。


 元々講師や入り口にいたワーカー2人に講習生達、総勢30名

 10名近くは手当を受けていて戦力外にはなるが、つい先程援軍にベテランワーカー10名程が加わり

狼型は50頭でしかも走って疲労する事になるから待ち受ける側の方が有利になる。


「ぇ゙、冗談でしょ?」

瀧山講師は、完全に走る気はない

何言ってるんだこいつら?という顔をしている。


「今ここに向かって狼型が50頭向かってます。さっさと走らないと、先に行きますよ!」

斑鳩と辻本は走り出す。


「ちょ…ちょっと待ってよね…

解った!走るから!

ね!ちょっと待って捨て石にしないで!」


 3人が走り出した時には、既に100m以下にまで狼型が迫っていた。

 流石に50頭もいると、木等で見えないが何かが大量に向かっている音がしている。


「シールド(小)って言うのをさっき使える様になったんですが、何か良い使い道ないですか?工夫したらなんとかなる!みたいに言われたけど、どうしたらいいか…」


「ナイス!シールドを後の狼型の顔の辺りに出して放置して!出来る?」「うっぷ…」

まだ走り出して殆ど時間は経ってないが、吐きそうに成りながら瀧山講師が叫ぶ


「使うのは初めてですが、いけそうです!」

そう言うと、斑鳩は背後にシールドを出す。


10秒も経たない間にシールドが割れた感覚が斑鳩に伝わる。


「シールド割れました。」


「垂直に出してないでしょうね?水平に出して、『シールド(小)』でもそれなりに使えるから」


辻本に言われ斑鳩は、狼型の顔辺りになる様、背後に水平方向にシールドを出す。


『ギャン…』

約5秒後、背後から犬の痛がる様な声が聞こえる


「ナイス!引っ掛かったね。これで奴等も慎重に走り出すはず、もっかい行っとこ〜!」「うぇっ」

瀧山講師は、吐きそうに成りながらテンションだけは高目だった。


(くそっ、『シールド(小)』の有効な使い道教えてくれててもよかったのに、

もしこれで、誰も有効活用知らなかったら

終わってた。)

だがそんな悪態を思っていてもしょうがないと切り替え斑鳩は

言われた通り再びシールドを背後に出す。


その後何回か、同じ事を繰り返してると

シールドの回数が尽きた。


「ごめん、シールドを出す回数制限超えました。」


「もう直ぐ、もう直ぐの筈だから」

辻本がみんなを励ます。


走りにくい野道を全速力で走ってるので

3人とも限界に近い

全速力といっても、野道なのでスピードは出ていない

さっきまでは、シールドの御蔭で狼型達のスピードは弱まっていたが、シールドが無いと解れば直ぐに追いつかれるだろう。



そして特に瀧山講師は限界が近い、強烈な二日酔いの顔をしている。

途中までは、吐きそうになりながらもテンションだけは高目だったけど既に顔が紫色になっている。いつ吐き出してもおかしくない状況


すると遠くから複数の声が聞こえてきた。


「こっちだ!みんな行くぞ!」

「あれ?誰か走ってきてないか?」

「人だ人!誰か逃げて来てる」


背後から向かって来ていた筈の狼型達は、目の前にいる人達を警戒して立ち止まっている。


 講師やワーカー達は集団で向かってくる狼型を察知していたみたいで、待ち構えていた。


斑鳩、辻本は安堵の声を上げる

「た…助かった……」

「なんとか、生き残れた…」


「エロエロエロエロ……」

瀧山講師は、みんなが見てる前で盛大に吐き出した。



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