第64話 無理難題を押し付けられる
落ちて無事だった理由探しを3人で決めた次の瞬間、再び周りの時間が止まった気がした。
勿論気のせいではなかった、何時の間にか白い謎の空間に立っている。
もう何度目かは解らないが、驚きはしなかった。
目の前には、誰かが居るようで居ない不思議な感覚がしている。
ふと斑鳩は、
「もしかしてこの不思議な感覚は演出ですか?」
思わず口に出してしまう。
『そう来たか、そう言われればそうかも知れない
別に演出を行おうとしている理由ではないんだが、全く何も居る感じがしなければ
単なる真っ白な空間になってしまうだろ?
必要最低限の力で、君の気が狂わない様にするのが精一杯って所かな?』
確かに、突然真っ白な空間に1人ポツンと立っていればおかしくなるかもしれない
『先ずはオメデトウ
ただ、安全地帯への帰還へはまだもう少し
頑張って貰わなければならない』
「ぇっ!言い訳考えて帰るだけじゃダメ?
流石にもう疲れたし、帰って布団に入って寝たい……
昼も自販機のパンだけだったし
そもそも『宣託』の御蔭でこんな言い訳を考えないといけなくなって……
何故『宣託』なんて面倒な事したんですか?」
流石に疲れたので、謎の白い空間だったが
斑鳩は座り出す。
地面は、やや柔らかい感じがするので
(座りやすいなこの地面なんなんだろ?)
と思っていると、『神っぽい存在』の話が続く。
『うほっん』
咳払いをしつつ語りだす。
『まああれだよ、若気のいたりって所かな?君達で言う何年か前にね。君達の世界とコミュニケーション出来るスキルを与える事が出来る人物がいて、ついつい言ってしまった。』
「ぇ゛っ」
『まあまあ、ただもう大丈夫なはずだ
【神の使徒は探さない様に、もし見付けても温かく見守る様に必要とあらば助けてやってくれ】
っと『宣託』スキル持ちに伝えてある。』
「おぉ〜!流石!期待してます!」
『げんきんだな、まあ本題に入ろうか』
「今までの本題じゃなかったのか……」
斑鳩の声は無視して続ける
『ダンジョンを踏破するまでは良かったが、予定よりも早かったせいでダンジョン内で生き残ったモンスター達が外に溢れている。
君達の所で言う゛ハグレ゛だな、それが丁度50匹が200m位離れた位置から君達に向かって走っている。ハグレに成り立てだから、まだまだモンスターに近い存在だ、そのまま戦えば恐らく3人では負けると思う。』
戦いで負けると言うのは勿論、【死】を迎えるということになる。
「ど…どうしたらいいですか?もしかして、これでお終い……こっちの世界に来てまだ2ヶ月位……」
『まあまあ、落ち着いて
あくまで、このままで居ればと言う事だから
勿論解決策は用意してある。』
願う様に斑鳩は次の言葉を待つが同時に不安もよぎる。
ダンジョンに落ちた際も、スキルはくれたが地面への激突はあった……藁の山はあったが……
『ダンジョン崩壊で、多少力が戻ったから期待してくれて構わないからな』
「勿体ぶらずお願いします。」
『うむ
シールド(小)それと、脚力アップ(小)だ。取り敢えずこれで頑張ってくれ
これでも奮発したほうだから』
「脚力アップ(小)は、なんとなく想像は付きます。
でもシールド(小)とは?」
『脚力アップ(小)は、ちょっと足が早くなる程度だ
シールド(小)は、A4サイズのシールドを出すことが出来るようになる。
強度は、ベニヤ板位だと思ってくれればよい
20回は出せると思う。』
(この神っぽい存在は本気で言ってるんだろうか……若干足が早くなった者にベニヤ板って……これでどうしろと……)
『……ん?不服か?』
「少し無理そうな気がします。狼型50体、若干足が早いだけでは……」
『シールド(小)があるではないか、工夫してやって頑張ってくれ
そろそろ時間だ、何方にむかえばいいかの方向は、神託で辻本に伝えてあるから彼女の言う方向に走ってくれ
でわっ期待している』
そう言うと、有無を言わさず元の世界に戻された……




