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第49話 藁の山にダイブ


穴の底が見えた、と思った次の瞬間。

――ドサッ!!

斑鳩の身体は、山のように積まれた藁の上へと叩きつけられた。

「がっ……!!」

息が一気に肺から押し出され、声にならない音が喉から漏れる。

藁がクッションになったとはいえ、数十メートルはあったはずだ。

衝撃は想像以上で、全身に鈍い痛みが走る。

「……っ、クソ……」

藁がなければ即死だっただろう。


だが助かったからといって、無傷なわけがない。

腕を動かそうとして、斑鳩は顔を歪めた。

「いっ……!」

左腕、右脚、肋骨のあたり――

どこもかしこも痛みが走る。


折れてはいない感覚だが、少なくとも骨にヒビが入っているのは間違いない。

(強固(小)……助かったのはそれのおかげか)


 身体能力が底上げされていなければ、藁があっても危なかった。

だがそれでも、体中が悲鳴を上げている。

ゆっくりと仰向けになり、荒い呼吸を整える。


 上を見上げると、穴はもう見当たらない。

壁も天井も、自然の洞窟というより――

人工的に整えられたダンジョンの内部そのものだった。


 「……最悪だな」


佐藤と南條の顔が脳裏をよぎる。

無事だろうか。

少なくとも、穴は塞がった。

ということは、こちら側に来る可能性は低い。

(つまり……俺だけ、ダンジョンの中)

 斑鳩は歯を食いしばり、痛む身体を押してゆっくりと上体を起こした。

藁の山の向こうには、暗い通路が続いている。

ここがどこなのか、出口があるのか、それすら分からない。

「……生きて帰るしか、ないよな」

そう呟き、斑鳩は痛みに耐えながら、周囲の確認を始めた。


左腕、右脚、肋骨

この3箇所が、今まで味わった事がない痛みでヒビが入っていてもおかしくないのは確定だ。


 問題は、痛みこそ殆ど無いが

右腕前腕部分、おかしな方向に曲がっている。

数cm裂けていて、血も出ているしなんと言っても

飛び出てはいないが白い物が少し見えている。


 今まで骨を折った事は無いが、血の気が引いていくのが解る。きっと今、自分の顔を鏡で見たら顔面蒼白であろう。


 無意識に、左手で右腕を引っ張り真っすぐにする。

「うっ……」

 自分の状況に吐きそうになる。

 何度引っ張っても真っ直ぐにならない。

 前腕なので、2本折れている。医療の知識もないので、片方が正常な位置になるともう片方がズレる。

 どう見ても前腕が、弓なりに曲がっている。

 痛みが殆どないのが幸いだ、寧ろ他の部位の方が痛い。


 だが次の瞬間、自然にくっつく様な感覚が自分でも解った。

 左手で引っ張っただけでは真っ直ぐにはならなかったが、真っ直ぐに戻ってくれている。

 医療の事は解らないが、複雑骨折ではなく単純骨折だった様だ。


 どれだけ時間が解らないが、5分程は経過している気がする。

 気が付くと、左腕、右脚、肋骨も痛みが治まっていく。

 

 少し冷静になり、ダンジョン内に落ち

周りにモンスターがいるはずだという事を思い出す。

 「ヤバイ!何ボーッとしてるんだ!」

小声だったが声に出てしまう。

しまったと思い、今更ながら周りを確認する。

 周りを確認すると、藁の山に確かに落ちていたが、その周りには瓦礫が大量に落ちていた。

 周りを見渡すと、5mはあるであろう大型の狼型モンスターが下半身を瓦礫に潰され藻掻いている。他にはモンスター類は見当たらない様子だった。


 (もしかして、ダンジョンの中核近くに落ちるとは言ってたけど、もしかしなくてもボス部屋みたいな所に落ちた?瀕死っぽい狼型に気が付かれてはダメだ瀕死とは言え、あのサイズを自分1人では無理だ。他の人達と合流しなくては………)



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