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第36話 野外訓練初日


いつの間にか一週間が過ぎ、ついに野外訓練の初日がやってきた。

斑鳩孝一は、重い足取り、、、と言いたいところだが、意外といつも通りの気持ちで教習所へ向かった。

教室に入ると、すでに佐藤と南條が来ていた。

「いや〜ついに野外訓練だな!自炊ってどんな感じなんだろ。ワクワクするわ〜!」

佐藤は完全にサバイバル、というよりキャンプ気分である。

リュックの横には、明らかに訓練用ではないカラフルなシェラカップがぶら下がっていた。

「私、ハグレには慣れてるつもりなんだけどさ、虫は無理だから。蚊に刺されたくないし。

 虫除けスプレー、2本持ってきたよ。日焼け止めもスプレータイプだから、孝一くんも必要なら言ってね」

南條も、どこかハイキングのノリで話してくる。

教室内を見渡すと、他の受講生たちも似たり寄ったり。

緊張した顔をしている者はほとんどおらず、むしろ「ちょっと遠足」くらいの空気が漂っていた。

もっとも、孝一自身もその空気に完全に飲み込まれてしまい、

初日は日帰りだしな

という気持ちになっている。

そんな中、教室のドアが開き、講師の郷山が姿を見せた。

「お前ら、楽しそうだな。まあ、今日まではそのテンションでいいだろ」

そう言いながら郷山は、自分の腰に提げたナタや専用装備をわざとらしく見せつけてきた。

「だが、来週からは本格的な“宿泊あり野外訓練”だ。

 気を抜いてると恐らく死にはしないが、確実に痛い目を見るぞ。覚悟しとけよ」

受講生たちは、 「うわぁ、、」「恐らくってなんだよ、、」

「マジかよ、、」「忘れてた、、」

と微妙な反応を返しつつも、まだ完全には実感が湧いていないようだった。

孝一も例外ではなかった。

――まあ、まだ初日だし。

――今日は普通に終わるよな、定年まで働いて、生まれ変わってまた転生して、こっちの世界に来てからは順調だったし、きっとこれからも、、、たぶん。

そう自分に言い聞かせながら、野外訓練の初日が静かに始まっていった。


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