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第35話 キャシーとの会話


斑鳩は深くため息をついた。

「いや、まず。お前さ、なんでそんな“オッサン寝”してんだよ。可愛さどこいった?」

キャシーは胸を張って前足を腰に当てるような(当ててはいない)ポーズを取った。

「可愛さは内側から滲み出るの!寝姿なんて関係ないの!むしろあの寝方は疲労回復に良いの!あと、お腹が冷えて気持ちいいの!」

「知らんわ」

斑鳩はこめかみに指を当てながら続けた。

「で、本題。お前さ、昨日“この部屋に魔石がある”とか言ってただろ。あれ、なんで気づいたんだ?」

キャシーは鼻をヒクヒクさせて得意げになった。

「ふふん、僕は普通のハムスターじゃありませんので!魔石の匂いが分かるのです!あれはねぇ……ちょっと高品質の魔石だった!美味しかったよ〜、ご馳走様!」

「それさ、元の俺(斑鳩孝一)がなんで持ってたか分からないんだよ。どう思う?」

キャシーは一瞬だけ真面目な顔になり、尻尾を揺らした。

「ハグレとか倒してたのかな?」

キャシーは一々可愛いポーズを決めてくる。


取り敢えず、駅で出会ったダンジョン受付の人の話をした。

「それがさ、前の斑鳩孝一はダンジョンに潜っていたらしい。といっても入り口付近だけだったらしいけどな」


「なかなか無謀な事を、といっても前の斑鳩孝一がどんな感じだったか知らないからなんともね」


「何か目的があったのか、何も考えていなかったのか謎が深まるな。今度、あの神でわはない神っぽい人に聞いてみるか」


「うんうんそれがいいそれがいい」

話そこそこに、カリカリを食べ始める。


斑鳩はベッドに倒れ込み、天井を見上げた。

キャシーはケージから身を乗り出してポンポンと前足で壁を叩く。

「まあまあ!細かい事はいいじゃん。大事なのは!あるじと僕は成長リンクしてるという事!」

「……いやそれも困るんだけどな」

「えー、なんでさ!僕が強くなったら君も強くなる!君が強くなったら僕も強くなる!素晴らしい共生関係!」

「いやいや、俺が戦うのにお前はケージで寝てただけだろうが」

キャシーは急に“可愛い困り顔”を作った。

「だ、だから……せめて、美味しいご飯と魔石を……」

「そこだけしっかり要求するな!」

斑鳩の声が部屋に響き、しかしキャシーはケロッとしていた。

斑鳩は思わず笑ってしまい、仕方なくキャシーの頭を指先でつついた。

「まあいい。とりあえず夕飯の時間だ。今日は唐揚げだぞ」

キャシーの目がキラッと輝く。

「人間用の唐揚げって美味しいのかな?」

「いや、お前食うなよ!?」

「え〜〜〜!?ひとくちだけ!」

「やらん!」

そんな言い合いをしながら、斑鳩の家の夜は更けていった。



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