第19話 野外訓練を告げられる
郷山が教室にやってきて告げる。
「来週、野外での実施訓練を行う。」
教室が一瞬だけ静まり返る。
続けて郷山は、班分けの説明を始めた。
「こちら側の3人。それと反対側のこの4人、計2パーティーに分かれてもらう。野外でハグレの捜索から、退治までを実際にやってもらう。もちろん、元ワーカーの講師がフォローにつくから安心しろ。」
斑鳩、佐藤、南條の3人と、その他の4人に班分けされた。
そして、その「安心しろ」という言葉とは裏腹に、教室内は一気にざわめき始める。
誰もが昨日までの檻の中の実技を思い出したのだ。
しかし郷山はさらに追い打ちをかけるように言った。
「それに伴い、今日からは講習の最後に行っている実施訓練のハグレについて――口枷などは一切無しだ。牙むき出しの状態で対峙してもらう。」
教室はどよめきに包まれた。
「は!? マジで!?」「無理無理無理無理!!」
そんな声があちこちから上がる。
その中、佐藤タケシだけはいつも通りの調子で、
「まぁ、防具あるし平気だろ」とケロッとしている。
一方で、普段サバサバしている南條アズサも、今日はさすがに青ざめていた。
「……え、ちょっとこれは……」
と、小さく漏らす。
つい2週間前、血塗れでハグレを殴り倒していた人物とは思えない表情だった。
斑鳩孝一はというと、ただ震えるしかなかった。
来週までに――本当に、自分は大丈夫なのだろうか。
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