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第14話 初日終了


受講生全員分の、ハグレ退治の体験がひと通り終わった。

本日、ハグレを倒せたのは 佐藤、南條、そして“辛うじて”倒した 斑鳩孝一 の3人だけだった。

講師の郷山は腕を組みながら言う。

「今回は……倒せた人数は多いほうだな。初日は少ない時は“ゼロ”の時もあったからな」

受講生たちの顔に微妙な安堵が浮かぶ。

郷山は続ける。

「今日のところはこれで終わりだ。

また明日は9時から講習が始まる。

今日倒せなかった者は、明日は倒せるように頑張ってくれ」

そう言い残し、初日の講習会は幕を閉じた。


受講生たちがそれぞれ帰り支度を始めた頃だった。

「斑鳩くん、ちょっと帰りにコーヒーでも飲んで帰ろうぜ」

佐藤が声をかけてきた。

ほぼ初対面の“農家のオッサン”からの、まさかのデート(?)のお誘いである。

前世でブラック企業にすり潰されていた頃では考えられなかった種類の誘いだった。

なんだか少しだけ、胸に温かいものがこみ上げる。

「……はい。ぜひ一緒に行きましょう」

孝一が答えた瞬間——。

「じゃ、アタシも行く」

南條が、サバサバした声で会話に滑り込んできた。

「返り血浴びちゃったから、シャワー浴びてくる。ちょっと待ってて」

二刀流でのハグレ殴打ショーを披露した本人は、ケロッとした様子で去っていった。

結局、教室には

斑鳩孝一と佐藤 の二人が残され、

南條が戻ってくるのを待つことになった。

(……なんか、仲間って感じだな)

孝一は小さく思った。



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