第二話 魔力ってなんだ。
今、私は高い塀で囲まれた施設に収容されている。到底、私には高すぎて降りることができない。そして、定期的に見回りがきて私に餌を与えてくる。
そう、目を覚ました場所は…
…ベビーベッドじゃん!!!!
なんと来世は、赤ちゃんから始まることとなっていた。
かなり暇。やることないもん。めっちゃ暇。ということで、私の生まれについても説明しておこう。
まず、私は公爵家に生まれたようだった。名前は、サイカ・マインベリー。どうも、私の母はメイドらしく、庶子にあたるらしい。この貴族社会において庶子の子供は非常に厳しい環境に置かれることが多い。でも、私はそれなりの生活を送ることができている。というのも、母が元暗部の人間で、単なる庶子ではないからだ。
私の母は、魔法も武術も何でもできるような人だったらしい。その優秀な血筋に貴族の魔力が交わった子供。それは強い力を持つと、公爵家では期待されているようだ。実際、神様から強い魔法をもらえるらしいしね。
というわけで、私は5歳までここにおかれることとなっている。5歳になったときに、魔法に才能があるかが判断される。万が一私が無能だった場合、母と共に国外追放となる予定だ。どこまでも利益だけを追い求める、ある意味貴族らしい手法だろう。
まあ、つまり。
神様の魔法があればどうにかなるんじゃないかな、という感じだ。
というか、形だけでも魔法が使えないと国外追放になるのだ。職を失った母と、歳の小さい子供。この二人で外国に出されたとして、うまく生活できるかは謎だ。
絶対に魔法を使えるようにならなければ…!
とりあえず、現状できることはなんだろう。
まず、ここ(ベビーベッド)から出ることは出来ない。監視の目が意外に多いのだ。
というわけで、何かをするとしてもベッドの中となる。
……やっぱり、異世界定番の鍛え方をやるべきだろうか。
よし、まずは魔力を感じることだ! ほとんどの異世界系も魔力を感知することから始まっている。
うーん。うーん。うーん。
…さっぱりわからん。そもそも魔力ってなんだ。
「はーい。じゃあ、おむつ変えますよ〜!」
気づくと、メイドさんが来ていた。
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