月香る夜道
雨上がりの夜道
今夜は満月らしいけれど
仄かに白い霧のような曇に包まれた夜空
残念ながら月は見えないけれど
雨粒を光らせた白百合の花壇が街灯に照らされて
月の光が降り立って咲いているようだった
百合の香りは月の香り
雨水にさらに香り立つ
葉茎の合間からは
夜行性のカタツムリ、
くるりと蛇の目の殻からゆっくりと動き出す
蛇の眼
瞼を持たないかのような瞳
ジッと真っ直ぐに見つめる先には
月への道、涙が満ちて
魔法みたいに霧が澄んで行く
ゆっくりと昇る カタツムリ
蛇の目の傘にかぐや姫を隠して行く
香る月への道が雨上がりに輝いてみえる
今宵、白百合の香りに包まれて
満月にかかった白い雲のように
わたしはあなたの瞼になりたい
ゆっくりとゆっくりと
あなたが、眠りについたあとに
わたしも寄り添うように眠りたい




