躍動
「というわけだ。わかったな水野透。」
薄暗い部屋の中で水野透はクライアントとスマホで仕事の詳細を打ち合わせていた。
密閉されたコンクリの壁の中で水野の声がいい具合に響いていた。
「あはぁー、でもわりぃなぁ。せっかくの依頼だが遠慮させてもらう。俺だってこの世界にいるんだからMr.Xの噂ぐらい耳に入る。だからあいつとはやりあいたくねぇ。」
「なにっ!?それは良かった。じゃあ報酬を今の5倍に増やそう。それならどうだ?Mr.Xを、殺って、くれるかな??」
「あはぁー、良かったって?あはぁ、、でも5倍かぁ。いいねぇ、いいじゃねぇかぁ旦那!こんなバカでかい報酬で仕事を依頼されたのは初めてだぜぇ。のった、のったよぉ、旦那ァ!」
「そうか、それは良かった。ウハハハハハハハ、ハハ、ハッ、ハッ、ハックション!うぃー。」
「あはぁー。じゃあ、さっそく俺はMr.Xの暗殺の準備に取っかかるぜぇ。あはぁー、7日後、三方囲い込みかぁ、あはぁ。」
「頼んだぞ水野。変更があったらまた連絡する。それじゃあ、健闘を祈る。チャオ!」
会話が終わると水野透は顔に似合わない大きなおならをした。
―ぷぅうううう、ぷりっ。
「あはぁ、、フルーティな か、お、り。」