消されぬ記憶
これは二年前のMr.Xの記憶
脳にこびりついて離れない記憶
決して忘れてはならない記憶
―モスクワ(ロシア)郊外 何らかの採掘場あと
「マック―ス!どこだっ!どこにいるっ!?」
「ちがーう!エックスって言ってんだろ、ボブおじさん。全く俺の助手なら名前ぐらい覚えてくれ!」
「おうそこにいたか!ああ、悪いなエック…、MAX!!?なっ、なに!?ふっ、伏せろMAX!!」
ボブおじさんが急に叫ぶと同時にMr.Xの手を取りボブおじ側に強引に引き寄せた。
「WHAT!?」
と一瞬の後、物凄い閃光と爆音がMr.Xに押し寄せた。思わず顔を覆い縮こまる。
爆風が収まったあとMr.Xがおそるおそる目を開けると、目の前にはボブおじさんが立っていた。
ボロボロの体で
「・・・・・・・・・・」
そしてボブおじさんはその場で重力に対し無抵抗に崩れ落ちた。
「ボブおじさん!?ボブおじさぁああああああああああん!!!!」
Mr.Xは泣き崩れる。仕事柄ボブおじたんの死を一瞬で予感したのだ。
「ボブおじさんっ!何で俺なんかかばったんだよっ!アンタには大切な家族だっているし、今死ぬべきじゃないのにっ!!」
「、、よ、よう、勝手に殺すなよMAX。まだ、敵は、、気を付けろ、うう」
「ボブおじさん!?わ、わかった!!ピカピは俺が必ず倒す!それまで絶対死ぬんじゃねーぞ!」
「あ、あ、もう駄目だ、、後は、、頼ん、だ、ぞ、、マッ、ク、、、、、」
ボブは息絶えた。
「ピカピィー--!!!!!テメーは絶対許さねぇ!」
Mr.Xは少し離れた採掘場の入り口側に立っているピカピ・ハゲロビン・デルソーレ(イタリア)を睨みつけた。
その顔といったら、いや、今はやめておこう。
「ほぉー、その傷でほざくか・・・。お前もあのバカみたいに俺の最終奥義ディアクラッシャーで地に還るか?」
「んだと!(さっき倒したはずなのに、、こいつはほんとに人間か)傷はお互い様だ!勝負はこれからなんだよ!」
「ほぉ、それは良かった。でも生憎だが勝負はお預けだ、お前のことはよく知っているよ、まだお前には生きてもらわねば困る。
では、チャオ!」
ピカピはそう言うと、おもむろに原チャにまたがりその場を後にした。
茫然自失となるMr.X。
しかしこのまま戦っていたら、いかに優秀なMr.Xといえど命を失っていたことだろう。