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先生

作者: 古川

先生が死んだ。

またあの病気で人が死んだ。


私は頭痛持ちだ。

加えて心も弱かった。

そんな訳で何度も先生を訪ねた。


私の「頭痛がひどくて...」と言う小さな声に

困ったように笑って、具合を見てくれた先生。

もうどこに行っても会えない先生。

薄暗い先生の家。

駐車場にかかる黄色のチェーン。


私は何度も目を開けたり閉じたりしながら、

先生のことを考えた。

もういない先生。

引き出しには、まだ先生にもらった頭痛薬が入っているのに。

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