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霧のまち

「霧のまち」


わたくしは良盤を探すためにディスクユニオンまで電車に乗った。曇った日でした。ぽくぽくと雲が浮かび。その雲は灰色、澄んだ灰色をしているんでした。


回転寿司屋、ピンク系のなにか、パチンコ店などソドムな情景を過ぎていく電車。電車のなかではわたくし含めみんな一心に携帯電話をさわっていた。すこし気味がわるかった。


だけど雲はすきとおるグレイだった。


割愛。とりま、電車を降りたんです。わたくしは孤独だから、書いておかなかったけれど 電車に乗った のも一人なら 電車を降りた のも一人。


だから一人で歩いた。グレイの雲はずうと頭上についてきていた。みすかされる様でこわかった。薬が欲しいかもしれなかった。


割愛。薬を飲んだかは此処には書かない。僕は、「わたくし」という人称を離れて視界がややスッキリしていた。


お店にはいり盤をえらぶあいだ、呪いみたいにグレイの雲のことを考えていた、雲が黙示録の啓示の様にけものやヤバイ天使みたいに降りてきて、このまちを包む。


そうするとどうなるだろう。


わたくしたち僕たちは現行のじょうたいから滑り落ちて、綺麗なしかしかんじょうの無い唯のいろへと一連托生しちゃうんですかね。


それってスリル、だと思う。


わたくしはいつの間にかビッシリ汗をかいていた。


その汗は透きとおり空想上の雲と一緒、むしろ雲で出来ているように思えたし、わたくしの皮膚はまちの様、ソドムのきたならしい破片でこしらえられてる様に思えた。


そんな思い出。


なんの盤を買ったかはわたくし、忘れたんです。


了。

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