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騎乗
「うつくしい少女が構造を解体していく瞬間にすら、世界は七色であることを已めない」
「擂りおろしていく林檎はさけびごえを立てるが、わたくしの耳はそれを聴かない」
「黒」
「白」
「象徴が具象だとおもう夕間暮れ、にくたいは木霊に吸収されていく」
「その木霊はまるい」
「十二月のつぎに十三月がきて、それは一月にもどらない」
「だから時間はまるくないと推論可能である」
薬局までくすりを取りに行くさなか、わたくしの鼓膜にさばえなす、そうした囁き。
「たましいに乗るのがわたくしなのか、わたくしに乗るのがたましいなのか」