85.魔道具
ようやく金曜日がやって参りましたね。
学校の子も、御死後音の方も、あともう少しのご辛抱でございます。
頑張ってくださいね!
さて、ただいまから僕たちは、この世界に来て初めてお風呂に入ることができるのだ!!
この世界に電力は無いので、一体どのような感じの造りで、どうやってお湯を作るのかなど、気になることがいっぱいだ!
僕たちは、というより、僕はお風呂を知っているので、ルンルン気分でマコトさんのあとに続いて歩いていく。
他のみんなはというと、お風呂って何なんだろう? 一体何をされるのだろう?
といった感じのことを話しながら、マコトさんのあとをついて歩いていた。
そうだよね。
この村が無いだけかもしれないけれど、今までお風呂っていう概念が無かったんだから、そう言われても何がなんだか分かるわけがないもんね。
ただ、ハシュードさんとカイトは、何だかちょっぴり知っているような感じだったんだよね。
やっぱり、行商人をしていると色んな所に行くから、お風呂のようなものがある所の1つや2つぐらい、行ったことがあるのかもしれないね。
それに、行ったことが無くても、商人仲間に聞いたりとかしたことがあるのかもしれないしね。
外にでも行くのかなぁと思ったんだけど、どうやらこの様子だと、室内のどこかにあるようだよ。
空き部屋や使っていないお部屋を使ったのかな?
そう思いさらについていく。
すると・・・、元々空き部屋だったところが、信じられないことに、立派な立派な大浴場になっていたのだ。
え!? こんなに大きな大浴場にしちゃってるけれど、こんなにお湯を作るのって絶対大変だよね??
だって、この世界には電気が無いから、薪で火を起こして温めるしか、お湯を作る方法ってないはずだもん。
そう思い、そのことをマコトさんに尋ねてみる。
「わぁ~!! すごいですね!! でもマコトさん? こんなに大きくしちゃって、どうやってお湯を焚いて温めるんですか?」
すると、マコトさんは、一瞬不思議そうな顔をしたあとに、ハッっと思い出したかのような顔になって教えてくれた。
「あ、そうだったね。 ここの村は田舎中の田舎だから、魔道具が一切無いからねぇ。 知らないのも無理ないかな。 あれを見てごらんよ。」
そう言って、マコトさんが指を差した。
僕たちはその手の先を見てみる。
するとそこには、前の世界の温泉にあったような、お湯が流れ出てくるミニ滝のようなものがあって、そこからお湯が流れ出ていた!
ん? 一体全体どうなっているんだ??
見た感じ、本当にお湯なのかお水なのかが流れているし、これはモクモクしているから、確かにお湯のはずなんだよね。
どういう仕組みなのかは全くわからないんだけど、自動でお湯が出ているんだよ!!
「えええ!? どうしてお湯が出てるんですか!? 一体どうなっているんですか!?」
全くわからないので、マコトさんに尋ねてみる。
「あれはお湯を作り出す魔道具なんだよ。 倉庫から探し出してくるの、物凄く大変だったんだからね。」
どうやら、あれが魔道具みたいなんだ。
どこかの町に行って買ってきたわけでは無いみたいなんだけど、電気も無いこの世界を考えると、相当に高いものだと思うんだよね。
何で今までそんなものを使わずに、倉庫に放置していたのかが謎すぎるんだけどね。
魔道具ってそもそも何なんだっていう疑問もあるんだけど、おそらく何かを自動的に行える、凄いものなんだってことだろうね!
まさにロマンの塊だよね!!
もう魔道具の存在だけでこの世界にワクワクしてきたよ!!
大きな町とかにはたくさんあるんだろうか??
楽しみで楽しみでたまらないよ!!
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それでは次話もお楽しみに!