83.ギルドの惨状
檸檬堂、昨日初めて飲みましたよ。
何なんですかあれ!?
シュワシュワ凄いけれど、めちゃめちゃ美味しい!!
定番レモンと塩レモン、そして鬼レモンはありましたが、あと1つ、はちみつレモンなるものがあるらしいですが、お店には置いてなかったです・・・。
皆さんのお勧めは何ですか??
そんなこんなで、結局僕とカイトがじゃれている間に、村に到着してしまった。
出発した時は凄く遠くに感じた村だけど、カイトのおかげで気付かないうちに着いてしまった。
村に着くころには、もう夕日が9割ぐらい沈んでいた。
そして、後ろを振り返ると、僕とカイト以外のみんなが、今にも死にそうな顔をしていた。
特に、ラスカくんを背負っているエイムくんは、足がふらふら状態だ。
もう最短距離で冒険者ギルドへ向かう。
みんな疲れ切っているし、もう真っ暗になっちゃうしね。
結局ヘトヘト状態だったのと、村に辿り着いたことで安心しちゃって、ギルドに着く頃には、火が沈んで辺りが真っ暗になっちゃっていたんだけどね。
ギルドに着くと、それはそれは衝撃的な光景が広がっていた・・・。
ギルドの床一面に負傷者が敷き詰められていて、その様子はまさに、戦争映画なんかで見る野戦病院かのようだ。
うんうんそうだよね、普通はこうなるよね。
いくらポーションが配給されているとはいえ、あのモンスターの数だ。
ポーションの量がどれだけあっても足りないし、それに、そもそもポーションを飲ませてもらえる暇を貰えないからね。
そんなこんななので、今現在足の踏み場が無くって先に進めない状況だ。
取り敢えず僕たちは、どこでもいいので座りたいんだけれど・・・。
これは無理そうかもしれないね。
どうしようかな、立ち尽くしていてもしょうがないし。
「これじゃあどうにもならねぇな。 食堂とかどうなんだ? 誰か見えないか?」
ロードさんの一声で、門番組が背伸びをする。
すると、ちょっとだけ見えたようだ。
「ちょっと見えたけどさぁ、ダメだなこりゃ。 みんな椅子にもたれ掛かって死に掛かってるわ。」
「空いてる席はないのか?」
「待ってろ、今見てやる。」
また頑張って背伸びしている。
すると、バタンッ!!!
え、お兄さん!?
倒れちゃったよ、大丈夫だろうか??
「大丈夫かぁ!?」
「イッテテテテテテー!!」
「おい! どうした!? 大丈夫か??」
「うぅぅ・・・すまない。 足を・・・足を攣ったぁ・・・。」
うわぁ、それはそれは痛そうだ。
僕も無理して動かしちゃうとああなっちゃいそうだ。
それは絶対の絶対にイヤなので、本当に気を付けないといけないね。
お兄さんは、身をもってそのことを僕に教えてくれたんだよね。
ありがとう、お大事に。
あ、全然僕は冷たい人じゃないんだよ。
ただ、疲れすぎてて思考がおかしくなっちゃってるだけなんだからね。
でも、お兄さんはこんなになりながらも、ちゃんと収穫を残してくれた。
「うぅぅ・・・、席だが・・・空いていなかった・・・ぞ。」
そ、そんなぁ・・・、僕の休息が・・・。
「そうか、そんなになりながらもありがとな。」
「あ、あぁ。」
「ちょっと痛むと思うが耐えろよ。」
そう言ってロードさんが、お兄さんの攣った足を掴み治そうとしている。
「うわぁぁぁぁ!! 痛い痛い!!」
こういうのはダメだ、僕は目を背ける。
さっきまでモンスターを斬ったり炙ったり、なんだりしておいてどうかと思うけれど、こういう光景って昔からダメなんだよね。
別に手術を始めようってわけじゃないんだけど、自分がやられてるみたいだから、やっぱり嫌なんだよね・・・。
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