58.クォーツ
僕は今日で今週のお仕事が終わりです。
皆さんもお疲れさまでした!!
結局森の中腹では1回もモンスターに遭わなかった。
フラグでも立ててたのかと思てっいたけれど、全くそんな事はなかったね。
ロードさんとは一体何者なんだろう??
だって、僕があんなになった中腹ですよ。
まあまあ、無事に中腹を抜けられたんだから運が良かったってことでいいよね!
ということで、森の奥地と呼ばれる領域までやって来た。
ロードさんのおかげで、みんなほとんど消耗が無い。
それにしても・・・この重々しい重圧というか、何なんですかこの感じは!?
もう中腹以上に圧が凄いです。
これはもう不安しかないです、一体どんなモンスターが出てくるのやら・・・。
ドラゴン系が出てきても不思議じゃない雰囲気が漂っているんだけど・・・、そんなの出てきたら生きて帰れる気がしないよ。
「あんま心配するなよ。 森の重圧に圧し潰されてしまうよ。」
そう言って、ハシュードさんが僕の肩をポンポンして、リラックスさせようとしてくれた。
ハシュードさんはこんな時でも優しいなぁ。
そう思っていると、近くの茂みがガサガサしてきた。
うわうわ、早速何か出てくるの!?
心の準備が全く出来てないんだけど、ちょっと待ってくれないよね??
まあ、そんな風に待ってくれるモンスターなんていないので、その茂みからそのままモンスターがヒョコッと出てきた。
えっと・・・、え??
僕はドラゴンみたいにイカツくて、巨大な、いわゆるボスみたいなモンスターを想像していたんだけど・・・。
その茂みから出てきたモンスターは、小柄な人型のモンスターだったのだ。
ん? これはモンスターで間違いないよね??
背丈は僕の半分ぐらいで、茶色い色の肌をしている。
子供が迷い込んだのかと思ったんだけど、さすがにこんな所まで子供が来れる訳ないから、やっぱりモンスターなんだよね。
そのモンスター、正式名称はクォーツというらしいんだ。
やっぱりモンスターだったんだね。
でも、見た目からして、この森の奥地に出てくるようなモンスターには思えないんだよね。
そんなクォーツだが、僕たちを見付けると想定外の行動に出た。
「に、逃げたぁああああ!?」
え? なになになに!?
モンスターだよね?? モンスターだよね??
衝撃過ぎて同じこと2回思っちゃったよ。
モンスターって逃げることあるんだね。
だって、目が合ったら確実に攻撃してくる奴しかいないと思ってたよ。
今までそうだったし。
でも、どっからどう考えても、森の奥地に現れてくるモンスターじゃないよねこれ。
そう思いながら、僕やカイト、ハシュードさんなど、クォーツを初めて見た人たちは、その光景が去った後もポカンと口を開けたまま、呆然と立ち尽くしていた。
「おーいお前らー?? どうしたんだー?? おーいっ?? 大丈夫かー?? あれ? クォーツってこんな技使えないよな? 大丈夫かー??」
あ、ロードさんが何か言っている。
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