52.森の中腹の調査
昨日投稿の51話に登場した、タストミナ草。
こちらの名前は、「回復」を「エストニア語」で読むと、ターストミナと発音するので、そこから取らせて頂きました!
他にもこのような感じで名付けたものがあるので、よくよく見てみてくださいね!
タストミナ草をゲットした僕たちは、森の中腹の調査の続きに戻った。
それにしても、浅瀬部分と比べると、モンスターが何だかか少ない気がするなぁ。
それをカイトに聞いてみた。
「何を言ってるんだよハルト。 あんなのがうじゃうじゃいたんじゃ堪らないだろ?」
「たしかに! でも、なんで少ないのかは気になるよね。」
「いいかハルト。 浅瀬にいた連中は、そこまで縄張り意識がないから、ああやって固まっていたりするんだよ。 でも、中腹の奴らは縄張り意識が強いから、それぞれの縄張りを作っていて、そこからは出てこないんだ。 それで、俺らがその縄張りに入らなきゃ、普通は出くわすことはないんだ。」
「そういうものなの?」
「そうだぞ。 で、さっきから出くわす奴らは、俺らが縄張りに入ったから襲って来たってわけだ。 こうやって縄張りを守っているから、ふらふらしているようなモンスターはそいつらに倒される。 だから出くわす頻度が少ないだけなんだよ。」
「そうなんだね!」
ほう、モンスターも意外と考えているんだね。
というわけで、浅瀬部分ほどモンスターと出くわすことがないので、僕とラスカくんの魔法組も、フルで戦闘に参加しているんだ。
ラスカくんもいるから、色々と組み合わせ攻撃が出来る。
水と火だと、火を消しちゃうから、基本一緒に倒す時は、2人とも水魔法を使う。
1人じゃ倒せないようなモンスターでも、2人で水をダブルで出せば、モンスターが受ける圧は2倍にも何倍にもなるので、水魔法の合わせ技は意外と強いみたいだ。
1回の戦いで相手にするモンスターの数は少ないので、僕たちが水弾で口や鼻を執拗に連射で狙って窒息状態にして、そうして弱った所に近接組が登場し、息の根を止めていく。
うん、意外と森の浅瀬より中腹の方が、僕たちみたいに連携プレーをしていく人たちには向いているんじゃないかな?
浅瀬は基本、個人個人の戦いになっていたので、結構消耗したんだけど、今みたいに中盤は連携できる分、消耗も少なくて済むんだ。
ただ、その代わりモンスターの装甲というか、防御力のようなものも高くて固いんだけどね。
そんな感じで、ここの消耗も抑えつつ戦闘出来たんだけど、流石に1日中戦えば疲れは蓄積されてくる。
特に異常も無しということで、帰りもあるので夕方前にギルドへ戻る事にしたんだ。
「長かったぁ~、ようやく帰れる!」
「ほんとだよ、丸1日は長いよなぁ。」
「村の安全のためだろ? 俺たち門番組がそんなんでどうするよ。」
「おいお前ら、別に喋ってるのは構わんが、戻るまで気は抜くなよ! ここは森の中腹ってことを忘れるなよ。 何が起きるかなんて分からないんだからな。 いいな?」
「おう、すまんなロード。」
ロードさんがちゃんとまとめ役をしている。
仕事は仕事でちゃんとやるんだよね、この人は。
そんな事を思ってロードさんを見ていると、僕の視線に気付いたようだ。
「おいハルト。 今絶対、失礼なこと考えてなかったか??」
「テヘっ、バレちゃいましたか?」
「コノヤロ~、待て待てぇ~!!」
この人、勘が結構鋭いんだよな、勘がね。
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それでは次話もお楽しみに!