51.タストミナ草
さて、最初のモンスターを倒せたことで、自信が付いた!
持ちの中腹の調査、張り切っていこう!!
そうして、しばらく散策しているとカイトが何かを見付けたようだ。
「なあハルト、見てみろよこれ!!」
「どうしたの?」
カイトが指差す先を見てみると、そこには、青々とした葉っぱの大きな草が生えているだけだった。
「何かあるの? 何も居るようには見えないけれど・・・?」
「違うって、この草だよ、これ!!」
そう言って、カイトは、青々とした葉っぱの大きな草を指差した。
「これ? この草のこと?」
「そうだよ、この草だよ。」
「何か凄いものなの??」
「凄いも何も、これ、タストミナ草だぞ、タストミナ草!!」
「タス…トミナ…草??」
「タ ス ト ミ ナ ソ ウ だぞ!!」
「う、うん・・・。」
「ハルト・・・? まさか、タストミナ草を知らないのか!?」
「うん・・・知らないよ。」
「マジかよ、知らないのかよ。」
「ごめん・・・。」
「あ、いや。 別に怒っている訳じゃないよ。」
「ならよかったよ。 でも、タストミナ草って何なの?」
「タストミナ草はなぁ、回復ポーションの原料になる、薬草なんだぞ!!」
「ええ!? あれが原料の薬草!?」
「そうだぞ。」
「あんなただの草に見えるのに、あんなに凄い力があるんだ!?」
「そうだぞー、凄いよなぁ。」
そんなわけで僕たちは、群生しているタストミナ草を発見したので、採取しておく事にした。
「おう、偉いぞカイト!! タストミナ草はなかなか見付からなくてなぁ。 ギルドとしてはメチャクチャ助かるよ。」
「い、いえ。 偶然目に入っただけなので。」
そう言いながらも、カイトは嬉しそうに笑顔を浮かべている。
ここに女子が居たら、このイケメンの満面の笑みにズッキュンされている所だろう。
あいにくここには男しかいないので、そういう展開は無いんだけどね。
「そうだ、せっかく見付けても採り方知ってるか?」
ロードさんが聞いてきた。
「分からないです・・・。」
僕とカイトは、正直に答える。
「そうかぁ。 ちょっとは勉強もしとけな。 しょうがないから、今日は俺が教えてやるよ!」
ロードさんの聞き方的に、ロードさんも知らないと思ったけれど、知っているようなので安心だ。
そして、採り方を教えてくれるみたいなんだ!
せかっくの機会だ! ちゃんとマスター出来るように頑張ろう!
そう張り切って、ロードさんに採り方を聞くと、実は難しいなんてことは無かったんだ。
「タストミナ草の採り方はこうだ。 まず鎌でも何でも良いから、斬れるものを持つ。 別に剣でも構わないぞ。」
「はいっ!」
「そうしたら、タストミナ草の先端を持ってやり、茎を露わにしてやるんだ。 この時に、根っこまで抜いてしまってはいけないよ。 力は掛けずに、優しく扱うことだ。」
「抜いちゃダメなんですね、分かりました。」
「そうしたら、根っこが抜けないように気を付けながら、茎の中間ぐらいで一思いに斬ってやるんだ。」
「茎の中間なんですね。」
「そうだぞ。 そこぐらいで斬れば、根っこが抜けそうになることは少ないからなぁ。」
「ちなみに、なんで根っこが抜けてはいけないんですか??」
「それはな、このタストミナ草は根っこさえ残っていれば、何度でも再生するんだよ。」
「ええ! 再生するんですか!?」
「そうだぞ。 だって、あれだけの回復力のある薬が作れる原料だ。 そのぐらいしても不思議じゃないだろ?」
「言われてみればその通りですね!」
「だろ。 だから、そうやって根っこを残しておけば、一度群生地を見付けてしまえば、枯れてしまわない限り、半永久的にタストミナ草がゲット出来るってわけよ!」
「おお!! 半永久的に!! カイト、凄いもの見つけたじゃん!!」
「そこまでは知らなかったなぁ。 まさかそんな凄い発見だったなんて。」
カイトの大活躍である!!
その後、ロードさんの説明通りにみんなでタストミナ草を採取したのだった。
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