45.水魔法の披露
しばらく井戸の前で水魔法の練習をしていると、ハシュードさんが起きてきた。
「おはよう、ハルトくん。」
「おはようございます、ハシュードさん。」
「早起きかい? 元気だねぇ。」
「目が覚めちゃって。」
「俺なら二度寝しちゃうかな、ハハハハ。」
そんな朝の会話を交わしていて、そうだ報告しないと! と大事な事を思い出した。
「そうだハシュードさん。 ちょっとこれ、見てもらえますか?」
そう言って僕は、水の玉を手の平の上に出現させた。
「ん? 何だ? 水が浮いている? まだ寝ぼけてるのかな・・・。」
そう言って、ハシュードさんは目を擦り、再びこちらを向く。
もちろんそこには、水の玉が浮かんでいる。
「おいハルトくん。 俺には、ハルトくんの手の平の上に、水が浮かんでいるように見えるんだけど・・・?」
「その通りですよ。 見間違いなんかじゃないですよ。」
「そうなのか。 どうなってるんだいそれ? っていうか、その水どっから湧いてきたんだ?」
「僕、水魔法が使えるようになったみたいなんですよ!」
「本当かい!? いや、目の前で使っているのだから本当なのだろうけど。 でも何で突然? 今までは出来なかったんだろう?」
「はい、今までは火の魔法だけしか使えませんでした。 使えませんでしたというか、使ったことがなかったというか。 だったんですけど、昨日ラスカくんが水の魔法を使って戦っていたじゃないですか。 それを見て、やってみたら出来たりしないかな?って思ってやってみたんです。」
「そしたら出来たと?」
「そうなんです。 あ、でも今できるのは、水を出すだけです。 ここで攻撃系をやると、制御しきれなかった時に危ないので出来なくて。」
「それは良い判断だね、ハルトくん。」
「ありがとうございます。」
「じゃあ、また森に行った時に試してみるといいよ。 もし攻撃系が使えなかったときには、俺たちが守るから大丈夫だよ。」
「ありがとうございます! そうしますね!!」
という事で、森に行ったら試してみる事になった。
もう楽しみでたまらない!!
でも、これで使えなかったら、その分ショックが大きそうだけど・・・。
「それにしても、まさかハルトくんが、火だけじゃなく、水の魔法まで使えるなんてねぇ。 衝撃過ぎて何と言ったらいいか。 まあ、これだけは言えるね。 凄いぞ! ハルトくん!!」
ヨシヨシしてくれた。
「ありがとうございます!!」
「そうだ、もしだよ、もし水の攻撃系の魔法を使えなくても、あんまり気にしない事だよ。 水の魔法が使えるだけで、非常に便利なんだから。 考えてご覧、俺たちみたいな旅の者は、いつ川や池なんかで水にありつけるか分からないんだよ。 それが、ハルトくんが水魔法を使えるだけで、一発でその問題は解消さ! ね、そうだろ??」
「その通りですね! 水は時には非常に貴重ですもんね! ありがとうございます!! でも、どうせなら攻撃系も使えるように頑張ります!!」
「おう、頑張れ頑張れ!!」
そんな感じで、まだ少し早いので、みんなが起きるまでの間、ハシュードさんに見ていてもらいながら、水の玉を出しながら、水の魔法のコツを掴めるように練習をしながら待つことになった。
よぉし! 頑張って攻撃系の水の魔法も使えるようになるぞ!!
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