44.水魔法は使えるのか
僕は本日が仕事始め1週目の仕事最終日です。
日曜もお仕事の方はもう1日、頑張って!!
「ふわぁ~」
昨日は早くに寝たので、今日は少し早く眼が覚めてしまった。
外はまだ薄暗い。
僕はベッドに転がりながら、昨日ラスカくんが使っていた水魔法を思い浮かべる。
「水の魔法って、火の煌びやかと違って、綺麗だったなぁ。」
激しい水球の水弾も、薄青色の綺麗な色の水で、これが攻撃するためのものであることを忘れるところだったくらい綺麗だったのだ。
「水魔法って、僕にも使う事って出来ないのかな? 火の魔法が使えるから、それ限定なのかな?」
ふとそんな事を思ったんだ。
色んな小説とか読んでいると、1人1属性だけってものから、2属性3属性使えるものもある。
この世界がどちらかは分からないけれど、もし2つの属性の魔法が使えたならば、今後の幅が広がるかもしれない。
なので、そう考えたら早速試してみる事にした。
僕はベッドから起き上がり、みんなを起こさない様に静かに宿の外に出た。
そして、外の井戸の前まで歩いてきた。
もし、もしだよ。
もし水の魔法を発動させることができた時に、ベッドの中や部屋の中でやったら、ベッドや部屋の中がビショビショになっちゃうからね。
それに、どんな威力のものが出来るか分からないので、高威力のものが出来てしまったらもう大変だ。
なので、念には念をで、宿の裏まで来たわけだ。
では早速、昨日見た水魔法の水を想像してみる。
あ、でもダメダメ!! あれは攻撃系だから、もし変な所に飛んで行ったら大変危険だ。
そう思い、一度想像を中止させる。
そうだ、水弾を想像するからいけないんだな。
そう思い、今度は宙に浮かんで静止する手のひらサイズの水の玉を思い浮かべる。
うん、これなら危なくないぞ!
さらにそれを、目の前に出てくるように念じてみる。
そして、目をゆっくりと開けてみる。
「できた!! できたぞ!! やったあー!! 成功だあ!!」
目の前には、先ほど頭の中で思い浮かべたとおりの水の玉が、手の平の上の宙に浮かんでいた。
僕は水の魔法が使えてしまったのだ!!
ただ、喜びすぎて一度水の玉の想像を解いてしまうと、手の平に水の玉が落ちてきて、手がビショビショになってしまった。
「うわっ! この水、結構冷たいんだなぁ。」
なので、ビショビショになった手を、持ってきたタオルで拭いて、僕は再び水の玉を想像してみた。
すると、先ほど同様、思い浮かべたとおりの水の玉が目の前に浮いて出現していた。
「よし! ひとまずこれでさっきのが奇跡じゃないって分かったぞ!」
それから何度か同じように、出してみて解いてを繰り返してみた。
うん、水の玉は問題なく出せるようになったぞ!!
というわけで、僕は火の魔法に加え、水の魔法が使える魔法使いとなったのだ!
ただ、水の魔法で今使えるのは、水を出すというだけで、昨日ラスカくんがやっていたように、鋭く弓の矢の様に早く飛ばしたりとかいう技は、こんな村の中では危なっかしくて試せないので、そこまで使えるかは分からないんだけどね。
また今日でも明日でも、今度でもいいので、森に行ったら試してみる事にしよう。
これで攻撃系が使えなかったらしょんぼりしちゃうかもしれないけど、人が生きる以上必要な水が出せるんだ。
人の役にも立てるだろうし、砂漠なんかを冒険した時に絶対役立つ。
まあ、今は水魔法を使えたことを、素直に喜ぼう!
深く考えるのはまた今度だ!
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