36.宿屋での質問攻め
三が日最終日ですね。
お正月最終日も本作を楽しんでいってください!!
宿へ戻ると、既に騒動の噂が広まっていたようで、扉を開け宿へ入った瞬間、そこに泊まっている冒険者たちからの質問攻めにあった。
「で、実際のところどうなのよ? モンスターの大量発生なのか??」
「あんた達、よく生きて帰ってこれたもんだ。」
「どうだ? モンスターは強かったか??」
「ギルドは何て言ってるんだ??」
などなど・・・一斉に話し掛けられても、僕らは聖徳太子様とかじゃないから、何を言ってるか分からない。
そこでしょうがないので、宿の広間を借りて今日あった事を事細かに話してあげる事になった。
話し手はここでもハシュードさんだ。
商人なので、饒舌である。
僕たちが先ほど体験してきた事なのに、なんだか大昔の物語でも読み聞かせられているかのようである。
結果、一通りの話が終わった後には、拍手喝采である。
え?? これどうなってるの?? と言わんばかりに、ハシュードさんが困っている。
何だか、困ったハシュードさんがおどおどしていて、少しかわいかったのは内緒の話。
そして、しばらくしてそれが終息した後、そこでハシュードさんがみんなに向かってお願いをする。
「ここでみんなにお願いがある! 明日昼頃になると思うが、冒険者ギルドから、北の森以外の方面の森のモンスターの状況を調査する任務が発せられると思う。 強制力はない任務だが、皆さんに私からも協力を依頼したい! 命の危険は確かにある。 無理なお願いなのかもしれないが、協力してくれないか?」
すると、意外や意外、話しを聞いた冒険者一同からこんな声が上がる。
「もちろんに決まっているじゃないかハシュードさん。 俺たちゃ、こういう時に役に立たんでいつ役に立つって言うんですかい? もしモンスターの大量発生なんて事態だったら、どっちみち逃げ道は無いし、この村に残された人達がどうなるかなんて想像がつく。 今やらねぇでいつやるってんだい! そうだろ、他のみんなも!?」
「その通りよ! 今こそ俺たちが活躍するときだぜ!」
「やってやるぞ!!」
「ハシュードさんに頼まれんでも、進んでやりまっせ!!」
「おうよ!! 俺たちに任せとけって!」
そうして、勇敢なる冒険者たちとの距離が縮まったのだった。
というか、大量のモンスター達に襲われながらも生きて帰ってきた事で、なんだか英雄か何かだと思われてるっぽくて、「で、本当はどこの英雄さんだい?」 なんてよく聞かれたんだが・・・。
全く違うからね・・・期待しないでもらいたい・・・。
そんなこんなで一仕事終えた?僕たちは、ようやく自室に戻ることができた。
ほんとに疲れたよ、特にハシュードさんなんて、死にかけのボロボロだったのに、冒険者ギルドでも、さっきの宿の広間でも説明係をしてくれたから、ベットに入った瞬間寝てしまったよ。
まあ、僕らも同じなんだけどね。
結局色々あったけれど、今ちゃんと生きているし、騒がしいけれど頼もしい冒険者たちとも、若干大そうな勘違いがありそうだけれど、仲良くなれたことだし、悪い事ばかりじゃないね。
でも、また明日森に入るのかぁ・・・。
ちょっぴり怖いな、今日はあんな酷い目にあったんだからさ。
まあ、今そんな事を考えていても、何をできる訳でもないから、今はゆっくり休んで、また明日に備えなきゃね。
そんな事を考えながら、僕は眠りについたのだった。
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それでは次話もお楽しみに!