32.大量のモンスターとの死闘
今年も今日を含め、あと2日のみ!!
最後まで楽しみましょう!
森に入って行った僕たち一行は、早速、イェノットとビーデルラスカの2体のモンスターに出会い、これを倒す事に成功した。
しかしながら、冒険者泣かせといわれる、カマイタチのモンスター ビーデルラスカによる攻撃を喰らったカイトは、着ている服の左腕部分を切り裂かれ、更にその下の皮膚も傷だらけで、涙目、下手したら今にでも泣き出しそうだ。
「痛い! 痛い! いたああああいいい!!!」
「カイト、痛いのは分かるがあんまり大声出すな。 みっともないし、モンスターが寄ってきたらどうする? そんな事になったら、俺、お前の事恨むからな。」
そう言って、ハシュードさんがカイトをなだめる。
「大丈夫、カイト? うわあ、痛そうだ・・・。」
「大丈夫じゃあないよ。 痛いんだもん。 でも、こんなもん我慢しないとな・・・。」
僕は、鍛冶屋さんにオマケと言って貰った、ポーションの小瓶の中の液体を数滴、傷部分に振りかけてあげる。
すると、先ほどまで傷だらけだった肌から、徐々に傷が消え始めた。
もう少しすれば元通りに直るはずだ。
「ありがとう、ハルト。 痛みが引いていくよ。」
「うん!」
「ゴメン兄さん。 さっきの声でモンスターが来るといけないから、出発しよう。」
「そうだな、傷も良くなったみたいだし、そうしようか。」
そうして僕たちは、森の奥に歩き出したのだった。
うん、いくらモンスターが多いからって、エンカウント率高くない?
イェノットや、カラックというリスのモンスターだったり、小型のオオカミのモンスターのフクロウルフだったり、もう、何匹,何十匹倒したんだろう?
もう、僕もカイトもボロボロだよ。
ハシュードさんも、これには途中から戦闘に参加だ。
「ちょっとこれ、多くないか?」
「ああ、多すぎる、ちょっとどころじゃないなこれ。 すまんハルトくん、そっちに行ったぞ!」
「うわぁっ! わ、分かりました!」
ボンッ!
もう火の魔法、ちょっと使い過ぎたかもしれない。
後で鍛冶屋のおじさんに貰ったポーション飲まないと・・・、って、そんなこと考えてる暇ないや。
次は剣を振るい、飛び掛かってきたモンスターの攻撃を防ぎながら、小型の火の玉で丸焼きにしていく。
「いいか、戦いながらよく聞いてくれ。 これは今日は無理そうだ。 少しずつ後退しながら追ってくるモンスターは倒していくんだ! 森から抜ければ何とかなるはずだから、それまでは頑張れよ!」
ハシュードさんがこの状況から、今日の依頼達成は困難と判断し、撤退を指示する。
それもそうだ、フクロテイガーがいる森の奥地はまだまだ先だ。
たとえ辿り着けたとして、フクロテイガー以外のモンスターに囲まれながらフクロテイガーを相手にするなど、今の僕たちには無謀だ。
それに、そこからの帰り道もあるんだ、疲労で困憊の僕たちには正直厳しい。
「分かったよ。 これはそうした方がよさそうだよね。 ハルト、撤退だ。」
「分かりました、ちょっと火で大きな壁を作ってモンスターを遮断します! もし魔力が渇水したらポーション飲ましてくださいね。」
「了解した、そこは任せてくれ。」
「では行きます、3、2、1!」
ブオォォォン!!
火の壁が今から撤退する方角以外に立ちはだかる。
こんなのやったら、そりゃ魔力が渇水する。
だが、こんな所で気を失う訳にはいかないので耐えて、走り出しながらカイトにポーションを飲ませてもらい、回復する。
どうやらポーションには、魔力を回復する作用もあるようなんだ。
そうして魔力を回復したので、支えてもらわなくても走れるようになり、襲い来るモンスターを火の玉で阻害しながら走り抜ける。
そうしてどれだけ走り続けただろうか。
僕たち一行は、ようやく森を抜ける事が出来た。
しかし、オオカミのモンスターやカマイタチのモンスターはしつこい。
森を出た後も追って来たため、走るのをやめ、体勢を立て直して対峙する。
そうして気が付いた。
敵は20匹、多すぎると・・・。
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それでは次話もお楽しみに!