31.イェノットとビーデルラスカ
本日で、本作の投稿開始から丸々1ヶ月です!
初めた頃は、こんなに沢山の方に僕の作品を読んで頂けるとは思ってもいませんでした!
本当にありがとうございます!
僕たち一行は、村の周りに広がる森へと足を踏み入れた。
薄暗くて不気味だ、モンスターが多い様だし、気を抜かないで挑もう。
そうして森へ入ってしばらく歩くと、早速僕たちは、モンスターと遭遇した。
茶色い毛にお腹は膨らんでおり白い色の毛が生えているモンスターだ。
一見すると、タヌキの様にも見えなくないが、大きさはその倍以上あるかもしれない。
もう少し小さければ可愛げがあったかもしれない。
だが、今目の前にいるそれは、全くそんなものは無く、ただ目が合った途端、牙を剥き今にも飛び掛かろうと身を低くしている姿だけが映る。
飛び掛かったか否かの瞬間、カイトが剣を抜き首筋目掛けて振り上げる。
すると、その地面から飛び上がってしまった後のモンスターに成す術はなく、首の辺りで両断されてしまったのだった。
「ふぅ! いきなりモンスターに遭遇したね、兄さん。 こんな浅い所にも、攻撃的なモンスターがいないわけじゃないから、ハルトも気を引き締めて行けよ!」
「うん、もちろんだよ。 怪我したら痛いもん。 ちなみに、今のは何ていうモンスターなの?」
「こいつはイェノットというやつさ。 こいつは初撃は今みたいに飛びついて来ることが多いんだ。 だから、うっかりしていると、大怪我を負ってしまう事になるから、気が付かなかったときなんて相当やっかいだな。」
「イェノットかぁ、気を付けないといけないね。」
「そうだぞ、ホントにこいつ嫌いなんだ。」
珍しい、ハシュードさんが好き嫌いをするなんて。
まあ、モンスターだからね。
これは後日聞いた話なんだけど、ハシュードさんが小さいころ、近くにあった森で見付けて、かわいい尻尾に騙されて近付いたんだって。
そこで近付いてきたハシュードさん(子供)に気が付いたイェノットは、突然牙を剥いて襲い掛かって来て、腕を噛まれて怪我をしたみたいなんだ。
そこで悲鳴を上げたハシュードさん(子供)に気が付いて、大人達が駆け付けてその後は何とかなったようなんだけど、相当なトラウマだったらしいんだ。
だからあんなに嫌っていたってわけなんだよね。
回想はそのあたりにして、先ほどイェノットを狩った僕たちは、森の奥に向かおうとしたんだけれど、そこに次のモンスターが現れる。
二足歩行で歩くイタチか?
ただ、その手のツメは長く伸び、どう見ても奴の攻撃方法はあのツメである事がうかがえる。
つまり、カマイタチといったところだろう。
「あー、こいつは冒険者泣かせの奴だぞ。 素早いから気を付けるように!」
そうハシュードさんが言い終えた途端、奴が動いた気がした。
しかし、姿が見えない、どこへ行った!?
そう思い周囲を見渡すと、途端前衛をしていたカイトが悲鳴を上げる。
「うわあああ!!」
瞬間、僕とカイトの間に奴が風と共に現れた。
そして、カイトの服の左腕部分がボロボロになっているのが見える。
その下の皮膚は切り傷だらけで痛そうだ。
途端、奴がこちらを向いて構え直す。
ヤバイ来るぞ!?
そう思い、目の前に魔法で火の壁(と言っても機動隊の盾ぐらいのサイズのもの)を作り出す。
グギャアァァァン!!
奴が火の中に突っ込み、苦しみもがく。
ただ、この程度ではモンスターの息の根は止められない。
目の前で転げ回るモンスターに向かい、僕は先ほど買ったばかりの剣を鞘から抜き、一気に振り下ろす。
綺麗に首を両断したことで、そのモンスターは息絶えた。
これはカイトを襲った罰だ、それに、僕を襲おうとした罰でもあるかな。
そんなわけで、よくよく考えると、意識してモンスターを狩ったのはこれが初めてだったようだ。
やった! やったよ!!
そして、こいつを倒せたことで、僕の魔法がこのくらいのモンスターに通用する事が分かったわけだ。
ちなみに、このカマイタチのモンスター、正式名称はビーデルラスカというらしい。
という訳で、依頼書のものではないけれど、ビーデルラスカの討伐成功だぁ!!
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