178.依頼の結果
「どうされました??」
僕が無事に目を覚ましたことを僕たちが大声で喜び合っていたので、廊下までその声がダダ漏れだったようだ。
ギルドの職員さんが心配して様子を見に来たようだった。
しまった・・・すっかりここが冒険者ギルドの中だということを忘れていたよ。
「あれっ!? 回復されたんですね! 相当酷い傷を負っていたので、どうなってしまったのかと心配してましたが。 大丈夫です? 痛みませんか?」
やっぱりここに運び込まれたときの僕は相当酷い状態だったみたいだね。
「あ、ご迷惑お掛けしました。 もう大丈夫そうです。」
そう言いながら僕は腕をブンブン回して見せてみる。
うん、痛みも全くないしちゃんと動くし、バッチリだ。 にしても凄い効き目だなぁ。
「それなら良かったです。 お疲れでしょう、明日朝まではこの部屋は貸し切ってありますので、今日はゆっくりと休んでくださいね。」
「はい、ありがとうございます。」
テクテクテクテク
そう去って行く音が聞こえたんだけど・・・
タッタッタッタッ
再び職員さんが戻ってきた。
どうしたんだろう??
「あ、すいません。 1つだけ言い忘れたことが。」
そう言って説明してくれたことはこうだ。
今回請け負った依頼はこの2つだ。
『ハイベアーの生息域情報の調査』
『タストミナ草の群生域情報の調査と収集』
だけど、今回はハイベアーの依頼については依頼内容を達成できたんだけど、タストミナ草の方については収集というものが達成できていないんだ。
だからこっちについては本来未達成でペナルティが課されたりするはずなんだけど、ハイベアーの方が依頼内容以上の貢献をしてくれたのと、こんな状態になったので、今回は何も減点されるようなことはないから安心して休んでね、というものだった。
依頼内容以上の貢献っていうのは、僕たちが持って記録を付けていたマップを頼りに、僕たちが倒したって言うハイベアーをギルドの職員さんたちで探しに行ったんだって。
すると、言ったとおり倒されたハイベアーがそこにいたから、討伐もされていたということを言っているのだそうだ。
ちなみにハイベアーの素材は高価なので、冒険者ギルドのギルド職員派遣手数料を取られてもかなりの金額になったみたいで、それでこのポーションがツケなしの実質タダ+αで手に入ったみたいなんだ。
最初はツケ払いでって話になっていたらしいので、危うく早々に借金を背負う所だったけれど、何とかそれを免れたってことだね。
ということで懸念していたことが一気にスッキリした。
するとやっぱり疲れが溜まっていたみたいで、安心した途端に睡魔が襲ってきた。
それはカイトも同じみたいで、だけどこの部屋にはさすがにベッドは1つしか用意できなかったみたいなので、今日は一緒のベッドで仲良く眠ることにした。
「は、入るよ。 いい?」
「うん、いいよ。」
なぜかカイトがちょっと緊張しているみたいだ。
なんなんだ(笑)
「よいしょっ。」
そう言ってカイトがベッドに入ってきた。
「へ、変なことするなよ。」
「別に何もしないし(笑) コチョコチョしちゃうよ。」
「それはヤダ。」
そんな会話を交わしていたら、お互い睡魔が限界に来たようだ。
いつの間にか2人ともグッスリと眠ってしまったのだった。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
作品が気に入って頂けたら、ブックマーク、感想、評価をお願い致します。
ブックマーク、感想、評価を頂けますと励みになります。
評価ボタンは、本作各話の最下部に設置されておりますので、宜しくお願い致します。
それでは次話もお楽しみに!