167.依頼受注
今は冒険者ギルドの職員さんがオススメの依頼を選んで持ってきてくれるのを、カウンターでカイトと2人で待っているところだ。
「明日楽しみだねっカイト。」
「そうだね。 でもなんだか人が足りていないような雰囲気だったよ、人気がないのかな。」
「だよね。 なんでだろうね? 絶対1回はやってみたいと思うと思うのにね。」
「だよねー。」
「ほんとに不思議だよね。 もしかして相当つまらない作業なのかな?」
「それともとんでもなく辛い作業だとか?」
「あぁ、やめよやめよ。 ただ単にこの依頼が珍しいって思うような、この街に来るのが初めてだとか数回だって人が少ないだけかもしれないよ。」
「ちょうどタイミングが合わなかっただけかもしれないからね。」
「そうだね、きっとそうだよ。」
そんな話をカイトとしていたら、職員さんが依頼探しから帰ってきた。
「すいません、お待たせさま致しました。 いくつか選んできましたのでご覧いただけますか?」
「あ、はい! ありがとうございます!」
そうして僕たちは、職員さんが選んでくれた依頼に目をとおす。
『ビックウルフの討伐&素材収集』
『ハイベアーの生息域情報の調査』
『タストミナ草の群生域情報の調査と収集』
この3つを持ってきてくれた。
なかなか魅力的な依頼だね!
これについて1つ1つ説明してくれた。
「えぇっと、まずビックウルフの討伐なんですが、最近このゴルドーの街の周辺に生息域を拡大してきたという状況になっていまして、それでこの依頼が出ています。」
「確かに、僕たちもこの街に来るまでの間に襲われましたね。 先日素材を売りに来たんですよね。」
「そうだったんですね。 ご無事で何よりです。」
「それにはこういうわけがあったんですね。」
「はい、そうなんですよ。 続いてハイベアーの調査ですが、ハイベアーは毎シーズンごとに生息する場所を変えるので、生息場所によっては危険なので討伐依頼を出す必要があるんですよ。 でも、どこに移動するのかなども毎年変わってくるので、どこにいるかは分からないんですよ。 ただ、職員で探すにしても人数が限られてくるので、結構大変なんですよね。 なのでこのように依頼を出させて頂いているんですよね。」
「そうなんですね。 でも見付からないこともありそうですからねぇ・・・、今回は・・・。」
「いや、その点は心配しなくても大丈夫ですよ。」
「え?」
「マップをお渡ししますので、調査した道順を記入していってもらえたら大丈夫ですよ。 そうそう見付かるようなものじゃないですから。 それに、そうしてもらえればそこにはいないんだなってことが分かるので、それだけでも重要な情報になりますので。」
「あ、そうなんですね! それならばできそうですね!」
「そうですそうです!」
「いいかもしれんね。」
カイトもいい反応だ。
「最後はタストミナ草の採取ですね。 こちらはどこのギルド支店でも常に欲しているものになります。 このタストミナ草は回復ポーションの原料になるので、いくつストックがあっても欲しいくらいなので、是非見付けてもらいたいですね。」
「これは前の街で見つけたよね。」
「そうだね、もう既に懐かしいよ。」
「ええ!? そうなんですか! ぜひお受けいただきたいです! 似たような環境下で生息するようなので、知っている方ならオススメというか、やって頂きたい依頼です!」
「どうかな? カイト?」
「良いと思うよこれ。 あ、ちなみに、このタストミナ草を探しながら、一緒にハイベアーを探すのっていいんですか?」
「はい! 問題ありませんよ!!」
「じゃあこれにしよう!!」
「うん!!」
「ホントですか!? ありがとうございます!!」
ということで、僕たちの今日のミッションが決定したのだった。
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